みずほ情報総研株式会社および株式会社みずほ銀行は、医療機器メーカーや関係団体などとともに、計4回にわたり協議した結果、ICTを活用した次世代医療インフラのあり方をまとめた「ICTを活用した医療産業の海外展開推進に関する政策提言」を作成し、今後はこの方針に基づき、ベトナムで新日本式医療の展開を推進していくことを7月6日に発表した。
この提言は、2014年12月に発足した「医療産業の海外展開促進に関する検討会」において、各種関係者により協議した結果をまとめたものである。
提言の前提条件として、医療人材の不足や医療費の増大などの問題を解決し、持続可能な医療を提供するためには、現場における「次世代診療支援システム」およびデータプラットフォームの導入と、それにともなう医療機器のインターネット化が必要である。この持続的な医療を提供する仕組みは、日本が海外に対して「新日本式医療」として輸出する際のキラーコンテンツになりうる、と前提条件を決めている。
この前提を元とした提言では、次世代診療支援システムを有効に稼動させるためにはインターネット化された医療機器が必要不可欠となり、検査データなどが即時にデータプラットフォームに送られ、データ共有・分析をもとに必要な治療を即時に洗い出す仕組みが必要となる。そのため、次世代医療機器や病院システムの研究開発ならびに実用化の促進を行う必要があるため、医療機器メーカー、ICT 事業者、医療現場などを含む業界横断的な協力が必要である、という提言である。
この検討会のメンバーは政策提言に先駆け、2015年3月にベトナムのホーチミンに訪問し関係者と意見交換を実施している。その際に、次世代診療支援システムを導入する新日本式医療が高い評価を受けたことから、2015年度はベトナムにおける次世代診療支援システムの医療現場における受容性検証、それにともなう医療人材のトレーニング、ヘルスデータの利活用可能性等に関する検討を行う予定である。