日本の独立行政法人である国際協力機構(JICA)は、ベトナムにおける食品検査能力の向上に貢献するため、ベトナム向け技術協力プロジェクト討議議事録に署名したことを発表した。
JICAの見解によると、ベトナムでは著しい経済成長に伴う国民の所得向上により、安全・安心な食品への需要が高まっており、農薬や化学肥料の適正使用や流通時の衛生管理を含む総合的な食品安全管理が求められているとしている。このような中、ベトナム政府は、2012年に、食品検査基準の作成や、食品検査施設への技術指導が行える認証検査機関として、農林水産品品質検査・認証・コンサルティングセンター(RETAQセンター)の設立を決定していた。
そのため、JICAでは、2019年より、無償資金協力「農業・水産食品の安全確保のための検査・農産食品品質コンサルティングセンター能力強化計画」を実施し、RETAQセンターに必要な検査機材や設備を整備していた。
今回は、JICAは、食品安全の検査技術等にかかる職員の能力強化を目指すため、ベトナム政府との間で「持続可能な農業開発のための食品安全検査・レファレンス機能・コンサルティング能力強化プロジェクト」に関する合意文書である討議議事録に署名した。日本側の総事業費は、3.225 億円となる。事業実施期間は、2023年11月から2026年11月を予定(計36カ月)している。直接受益者は、RETAQセンター職員26名となる。最終受益者は、MARDの29の指定検査機関の検査員約1,200名、その他食品安全に関するベトナム国内の検査機関、ベトナム農水産品のバリューチェーン関係者となる。
また、この事業はJICA課題別事業戦略「グローバルアジェンダ」の「農業・農村開発(持続可能な食料システム)」における重点クラスター「フードバリューチェーン構築」に位置付けられる。