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日本の農林水産省は、6月24日に開催された「グローバルな食料安全保障に向けた結束のためのベルリン閣僚会合」に参加したことを発表した。
この会合は、ロシアのウクライナ侵略がもたらしている現下の食料危機への対応について議論するため、G7議長国であるドイツの呼びかけで閣僚級(外務・開発・農業)会合が開催されたものである。日本政府からは林外務大臣と武部農林水産副大臣がオンラインで出席した。会合に参加した国は、G7とバルバドス、デンマーク、ドイツ、インドネシア、セネガル、アルバニア、バーレーン、コンゴ、民間からはインドネシア、エチオピア、コソボ、モーリタニア、セルビア、南アフリカ、チュニジア、トルコ、ウクライナなどとなった。
各国大臣から、ロシアが侵略を直ちに中止すべきことや、世界の食料不安を引き起こしているのは、ロシアの侵略行為であって、ロシアに対する制裁ではないことなどの発言が行われた。日本の武部農林水産副大臣からは、喫緊の人道支援を優先するのはもちろんであるが、同時に、長期的な課題を疎かにすることなく、持続可能な農業システムの構築に向け、G7がリードすることの重要性を訴えた。また、ウクライナのソルスキー農業政策・食料大臣からは、ロシアはウクライナの穀物輸出の再開を妨げないと言っているが、実際は輸出ターミナルへの攻撃を続けていると批判した。
なお、ASEAN加盟国でもあるインドネシアは、穀物自給率は高いが、飼料用としてのトウモロコシのほか、大豆やパンなどの消費拡大に伴う小麦など、穀物の輸入が多い。2021年の小麦輸入量は世界最大量の約115億トンとなっており、このうちウクライナが占める割合は約27%(約31億トン)と多くなっており、今回のウクライナ侵略の影響を受けている状況である。