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インドネシアでは人口が急増しており、1980年では14,749万人であったのが、2014年には24,795万人まで増えているが、適切な教育が人口増に追いついていない状況であった。
そのため、インドネシア政府は2005年に自国民の教育の質を改善するために、教師の質を高めるための包括的な法案を可決した。
本法案では、全ての教師に対して4年間の学士教育を受講し修了することを要求している。
また、学士教育を修了した教師に対しては、プロフェッショナル手当てとして給与を倍としている。
世界銀行は、現在までのこの教育方法の効果を確認し、以下の調査結果のレポートを公表している。
・高い給与水準は教師を志願する学生を増加させている。
2005年の20万人から、2010年の100万人への増加
・高い給与水準は4年間の学士教育を修了した教師の数を増加させた。
2005年の23%から、2012年の63%への増加。
・高い給与水準により教師を志望する学生の質が増えている。
・高い給与水準により教師は他の仕事を行う必要をなくし、教師に専念させることが可能となり、教師は生活に苦労しなくなった。
改善点としては以下の点などを挙げている。
・5年ごとに資格の再認定もしくは再確認を行うこと。
・能力が低い教師に対しては、追加のトレーニングを行い、管理すること。
・改善がみられない教師に対応して、再配備または解任を行うこと。
世界銀行の評価としては、教師の数が増えたことに対する評価はしているが、問題点も多数指摘しており、教育改革が完全に成功するにはまだまだ時間がかかりそうである。