小泉龍司法務大臣は、ベトナム技能実習生の失踪が相次いでいるが、今後もベトナム技能実習生が増加する見込みとなっていることに対しては、制度の適正化を図るとともにベトナムなどの国は日本にとって大切な国であるとの見解を示した。
9月19日に開催された法務大臣閣議後記者会見の際に、記者から「大臣が最重要の政策課題として挙げていた技能実習制度についてお伺いします。大臣も、日本ベトナム友好議員連盟の事務局長として、今年5月にもベトナムに訪問されて、今月21日には国交樹立50年となる日越関係の現状についても御見識があるかと思っております。(技能)実習制度をめぐっては、ベトナムが実習生の半数以上を占める最大の送出国となっている一方で、その現場では、人権侵害と指摘される事例や、実習生の失踪も相次ぐなど、課題も少なくありません。国際協力機構の2040年推計では、ベトナム人の来日労働者が今後も増えると見込まれております。その上で、技能実習制度におけるベトナムの位置付けについて、大臣の御所見をお伺いします」との旨の質問が行われた。
この質問に対して、大臣は「私は確かに議員外交という分野で、ベトナムの議員の方々と交流を重ねてきておりまして、その中で技能実習制度についても、議連の立場から大きな関心を持って見守ってきたところです。技能実習制度というのは、申し上げるまでもなく日本にとっても、ベトナムにとっても大変大きな意義を有する制度になっていると認識しております。ただ、具体的な中身まで入っていくと、最大の送出国ではあるのですけれども、失踪する方々の数は、絶対数からいえばベトナムが一番多いという問題もありまして、これをしっかりと改善していくと。双方の国にとって一番いい形で改善していくということは必要だと思いますが、まずその前提として、現行制度の適正化もしっかりやらなければいけないと思うのです」との旨の見解を示した。
その後に大臣は「ベトナムに限らず、日本に技能実習生を送り出していただいている国々は、日本にとっても大切な国々であり、そういった国々にとってもこの制度は非常に重要な大切な制度だということを、改めて心にもう一度思い起こしてしっかり取り組みたい。適正化に取り組みたい。制度改正の問題も入っているわけですけれども、そんなふうに思っています」との旨の見解も示した。