今回は皆様と共に交通渋滞について考えてみたいと思います。
20年前のハノイではオートバイが中心ではありましたが、自転車もそれなりに多く自動車はあまり多くなかったように思います。そして10年前は自動車が少しずつ増え自転車が少なくなってきました。ベトナムでは当時、信号機があまりありませんでしたので道路を横断する時は、オートバイに気を付けていたものでした。
最近はどうかというと多くのオートバイと自動車がほとんどで、自転車を見かける事が本当に少なくなってしまいました。その結果ハノイの街は大気汚染がひどい街となってしまいました。以前は北京の大気汚染の問題ばかりが報道されていましたが、現在ではハノイの大気汚染が大問題となっています。
ベトナムでは経済成長が好調で多くの人達が自動車を持ちたいと考えるようになってきました。ビール好きなベトナム人なので運転代行サービスが流行るかも知れません。また自動車用の駐車場がハノイ市内には十分にありませんので、タワー駐車場や湖上駐車場が必要になるかも知れません。シンガポールが同じような問題に直面し様々な対策を講じてきましたので、大いに参考にしてもらいたいと思います。いずれにしてもアジアの主要国での首都への一極集中は、ゴミの問題や交通渋滞の問題を必ず伴いますから先例を大いに参考にしていただきスマートな対策を講じていただきたいと考えています。そして日本では工業化を行い経済成長を実現しましたが、公害という大問題を抱えてしまいました。あまり公表はされていませんがおそらく中国では様々な公害が発生していると考えられます。都合の悪い情報は隠蔽され、都合の良い情報だけを発表する国が登場してきています。さらには嘘の情報を堂々と発表する状態にまでなってきています。これはとても深刻な問題ですね。何故なら私達がサポートをしてあげたいと思っても、実情がわからなければ対策の打ちようがないですから。
私達はこれまでバンコクやジャカルタでとんでもない交通渋滞を経験してきました。空港から市内のホテルまでタクシーで2時間かかるのが普通の時があったり、お客様との打合せにも遅れてしまう事がたびたびありました。その後バンコクでは新しい交通システムの導入等により、交通渋滞はいくぶん緩和されてきていますが、ジャカルタではまだ交通渋滞が大きな社会問題となっています。自動車がメインの交通渋滞の場合は完全に交通がストップしてしまいますから影響は大きくなります。それに比べハノイ、ホーチミンではオートバイがメインの交通渋滞(通勤時)ですから、完全ストップではなくそれなりに前進します。ただしこれからは自動車がメインの交通渋滞が予測されていますから、大きな社会問題となるのではないでしょうか。交通渋滞の対策としては都市計画、交通システム、ライフスタイル等様々な側面からのアプローチがあるかと思います。そうした対策を一つ、一つしっかりと実施する事をお願いしたいと思います。そして運転マナーを守りながら豊かなクルマ社会を実現していただきたいと願っています。
【著者プロフィール】
三浦純一:1950年生まれ
フォーバル・ベトナムのシニアアドバイザーとして2年。主にホーチミンでの現地法人立上げ、工業団地進出支援。
サイエスト株式会社 海外進出支援サービス 「グローバル顧問」所属
http://www.globalkomon.com