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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は麻薬撲滅を訴え多数の麻薬販売人と麻薬常習者を射殺しているが、夫を殺害された女性などからは現状を「麻薬を根絶しているのではなく人を殺しているだけ」と批判する声も挙がってきている。
フィリピン警察は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領から麻薬販売人と麻薬常習者を殺害してでも麻薬撲滅を行うように要請を受けているため、取り締まりの際に抵抗した場合には容赦なく射殺している。6月30日に大統領が就任してから7月末の時点では、既に300人以上が射殺されている。麻薬販売人と麻薬常習者の殺害は警察のみならず自警団も行っているが、ドゥテルテ大統領と国民の多数も自警団の活動を容認していた。
しかしながら、自警団により多数の麻薬販売人と麻薬常習者が殺害されるにつれ、国民の一部からは同情の声も挙がり始めている。この殺害された人達の中には、貧困により止む無く麻薬を販売する人達も含まれていたからである。麻薬販売の元締めは莫大な利益を得ているが、末端の販売員には利益がほとんどいきわたらずに、日々生活する上で必要最小限の収入しか得られていない者も存在していた。特に結婚し子供が生まれ家族を養う立場にある男性にとっては、麻薬販売を行いたくなくても、行わざるを得ない状況に陥っているからである。
オートバイに乗った自警団に夫を殺害された女性はメディアの取材に対して、夫が麻薬販売を行っており違法である事は認めつつも、現状の状況を「麻薬を根絶しているのではなく、人を殺しているだけである」と答えている。