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日本の厚生労働省は、フィリピンで平成22年10月以降中断されていた遺骨収集事業を、再開する方針である事を発表した。
日本政府はフィリピンで遺骨収集事業を実施していたが、平成22年10月に収容された遺骨にフィリピン人の遺骨が混入しているのではないかと報道されたために、遺骨収集事業を中断していた。その後に事実関係を含め検証を行った結果、平成23年10月に公表した検証結果では今までに帰還した遺骨にフィリピン人のものが混入している事実は認められなかった。その後、フィリピンにおける遺骨収集事業の見直しを行い、フィリピン政府と協議を進めてきた結果、事業に関しての合意が得られたことから、覚書に署名し、遺骨収集事業が再開される事となった。
加藤厚生労働大臣とフィリピンのカエタノ外務大臣が署名した遺骨収集に係る協力覚書では、「現地雇用の賃金等の経費支払いを除き、いかなる報酬も支払われない」「国立博物館の科学連絡要員(遺骨の鑑定についての専門能力を有する者)及び場合により先住民に関する国家委員会の代表が同行する場合のみ、本活動を実施」「協力覚書は、国際法に基づく法的拘束力を有する権利又は義務を生じさせるものではない」等に合意している。今後は、遺骨収集はフィリピン政府の承認を受けフィリピン国立博物館立ち会いの下でのみ実施し、遺骨の鑑定はフィリピン側専門家と日本から派遣した職員が合同で実施していく方針である。