日本政府は、ラオスにおける水・衛生環境改善、教育・学習環境の改善、農業・生計回復に資する資機材の供与、住宅の再建に資する資機材供与、などの合計4件の無償資金協力を実施することを発表した。
ラオス南部アタプー県では2018年にダム決壊に伴う多大な水害被害が発生していたため、日本政府は戦略的パートナーでもあるラオスに対して緊急援助物資を供与していた。この水害被害を受けた地域は、現在は復旧・復興を進めているため、日本政府はこの復旧・復興を支援することを決定した。
水・衛生環境改善に関する支援は、「水害被災地域における学校及びその周辺地域の水と衛生に関する改善計画(UNICEF連携)」として、供与額2.5億円により実施される。この支援は、甚大な水害被害のあった学校やコミュニティを対象として、児童・生徒のための水・衛生関連の環境改善に必要な設備・物資の供与や、災害対応能力を強化するための研修等を行い、児童・生徒の安全かつ衛生的な学習環境の実現や疾病等蔓延の予防,ひいては迅速な災害からの復興を目指すものである。
教育・学習環境の改善に関する支援は、「水害被災地域における学校教育セクターの復旧・復興支援計画(UNICEF連携)」として、供与額2.5億円により実施される。この支援は、学校教育の復旧・回復を行うために必要な教科書・学用品・教師用指導書等の資機材や物資の供与や児童・生徒に対する心理ケアなどの研修等を行い、被災地の学校教育環境の改善を行うものである。
農業・生計回復に資する資機材の供与に関する支援は、「水害被災地域における農業セクターの復旧・復興支援計画(FAO連携)」として、供与額1.0億円により実施される。この支援は、被災農家の水田・農地の緊急の回復を行うために必要な種苗・家畜・農機具等の資機材や物資の供与や研修等を行い、被災地の農業基盤の復旧を目指すものである。
住宅の再建に資する資機材供与に関する支援は、「水害被災地域における住宅セクターの復旧・復興支援計画(UN連携/UN-Habitat実施)」として、供与額2.5億円により実施される。この支援は、甚大な水害被害のあった地域を中心に被災地の住宅再建に資する資機材や日用品などの供与を行い、災害に強い住環境作りに向けた研修の実施等を行い、被災したコミュニティの住環境の改善を行うものである。