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アセアン+3緊急米備蓄(APTERR)の会合にてブルネイ政府は、ブルネイにおけるコメの自給率が4%であることを発表したことを地元メディアが報じた。アセアン+3緊急米備蓄(APTERR)とは、アセアン10カ国および日本、中国、韓国を含む東アジア地域において、食料安全保障の強化と大規模災害等の緊急事態に備え緊急米を備蓄するための米の備蓄制度である。日本政府も、この枠組みの検討段階から積極的に関与しており、約6百万ドルの財政貢献を含めた支援を行ってきた。
ブルネイでは、豊富な天然資源の輸出により、教育費・医療費などが無料であり手厚い年金が支給されるなどの豊かな国であるが、以前から食料自給率が低いという問題点があった。その理由は、国内で食料品を生産・販売し収入を得るよりも、天然資源の採取・販売に関わる方が収入が良い事などの理由により、国内の農業分野の発展が進んでおらず携わる人が少ないためである。そのため、食料品の輸入は隣国のマレーシアなどに頼っていたが、緊急時に備えて食料自給率を向上させる必要があるとブルネイ政府は判断し、2009年には食料自給率を60%とする目標を設定している。
ブルネイ政府も、今回の米の自給率の低さを問題視しており、国が生産したコメを一時的に買い戻すプログラムの実施や、米を生産することへのインセンティブ制度を実施する方針である。また、米の生産性を高めるために、官民共同で農業産業の研究開発を進め生産技術を向上することや、米生産に関連するインフラの整備を実施することも約束している。米以外の主要農作物の卵や野菜などに関しては、十分に管理しており問題が無いとの認識を示している。
なお、日本の食料自給率(平成25年度)は、カロリーベースは39%、生産額ベースは65%である。