在ブルネイ日本大使館は、ブルネイで4月3日からシャリア刑法が完全施行されたことに伴い、日本人などの外国人にもこの刑法が適用されるために注意を呼び掛けた。
ブルネイでは、2014年5月にイスラム教に基づくシャリア刑法の一部が第1段階として導入されており、2019年4月3日からはシャリア刑法が完全施行された。シャリア刑法は、外国人や非イスラム教徒であっても適用される規定が多くあるため、この規定はブルネイ在住の外国人や旅行者も適用対象になる。そのため在ブルネイ日本大使館は、処罰対象とされる行為の例を以下のように挙げて注意するように呼び掛けている。
・自宅・ホテル自室以外での飲酒・喫煙
・ラマダン(断食月)中の自宅・ホテル自室以外での飲食・喫煙(日の出から日没まで)
・夫婦や家族以外の男女が閉鎖された空間で過ごすこと(相手がイスラム教徒の場合)
・婚姻関係にある者以外との性行為(婚前・婚外性行為)
・同性間性行為・異常性行為(獣姦、屍姦)
・不道徳な行為
・異性装
・イスラム教からの改宗,他宗教の教育
・イスラム教の冒涜
・宗教に関する国王発言の批判・反対・侮辱
・イスラム教徒男性の金曜礼拝への不参加
なお、シャリア刑法では、手足首切断や投石による死刑等の身体刑『ハッド刑』が、被害者が被った死や身体損傷と同等の刑罰を加害者に与える同害報復刑『キサース刑』も規定されており、非イスラム教徒でもこれら刑罰により罰せられるものがあるが、その証明のためには複数の証人が必要であるなど厳格な要件がある。また、ブルネイでは一般刑法とシャリア刑法は並立して存在し、いずれで裁くのかは個別に判断されることから、実際にハッド刑やキサース刑が科されることは容易ではないと在ブルネイ日本大使館は見解を明らかにしている。
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