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オーストラリア政府が南シナ海の領有権問題に参戦し対中の立場をとるとみられているが、中国外務省の洪磊報道官は12月15日の定例記者会見において、中国政府は南シナ海問題にオーストラリアが関与することを拒否する旨の見解を示した。
15日の記者会見において報道官は、記者からオーストラリア政府の軍用機が11月末から12月初旬に南シナ海における「航行の自由作戦」に参加している可能性があることについて問われた際に、「南シナ海の領域外の国がこの問題に関与することは、南シナ海の問題をより複雑としトラブルが発生するため関与すべきではない。」との見解を示した。
また、アメリカの太平洋艦隊司令長官が、南シナ海の領有権問題は、軍事拡張競争を招くこととなり、結果として中国政府が利を得ることはないため、公平な仲裁機関を通しての解決を行うことを勧めていることに関しては「中国政府では、以前から平和的かつ安全に解決するために、紛争が発生している国との個別の話し合いや協議を続けているため、仲裁機関は必要ない。外部の国がこの問題に関与することにより、地域の安全が保たれておらず、特に外部の一部の国では意図的にこの地域の緊張を悪化させようとしている」との旨の見解を示した。
今回の南シナ海の領有権問題にオーストラリアが関与することになり、対中国包囲網が完成しつつあるが、以前のニュース(インドネシアは南シナ海の領有権問題は中立を保つ-中国の高速鉄道受注により)でも報じている通りにインドネシアなどのアセアンの一部の国においては包囲網に参加していないため、今後もどちらの国を支持するのかという綱引きが続きそうである。