フィリピンは原子力発電の実行可能性を調査、逆に電気価格が上がるとも

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画像提供:フィリピン政府
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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、原子力発電に関しての実行可能性調査を行うように関係当局に指示を出した。

フィリピンでは、新型コロナウイルスの感染が拡大する前までは、経済の堅実な成長と人口の増加などにより、電力需要の増大が想定されており、発電施設の拡大を行う必要が出ていた。しかしながら、現時点では主要発電となっている石炭火力発電は、環境問題などの観点から拡大させていくことは難しいということで、原子力発電の導入が必要になるのではとの意見が挙がっていた。これらの意見を受けて、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、大統領令を通じて、原子力発電の実行可能性に関しての調査を実施するよう指示した。

大統領からの調査実施が指示されたことにともない、政府内からは様々な声があがっている。廃止されたバターン原子力発電所(BNPP)の使用の復活に時間を浪費するのではなく、必要な法律・規制の策定とともに国民の理解と受け入れを確立することに注力すべきとの声があがっている。また、BNPPは43年前に建設が開始されており、IAEA(国際原子力機関)が当時定めていた国際安全基準と現在の基準は大きく異なり、BNPPの復活は現実的ではないため、新たな原子力発電所を建設すべきとの声もあがっている。また、原子力発電所が導入されたからといって、電気料金の引き下げが保証されるものではなく、多くの安全手順と技術を導入する必要があるため、ベトナムの場合のように価格が上昇する可能性があるとの指摘もでてきている。

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