イスカンダル計画、マレーシア【コラム】

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マレーシアの南部、つまりシンガポールと接しているところにジョホール州があります。

シンガポールの人達は土日などの休日に車でマレーシアのジョホールバル市へ買い物に出かけます。主に日用品や食品を買うためですが、わざわざ出かけて買い物をするほど、ジョホールバルでの物価は安いのです。そういった意味ではシンガポール人にとってジョホールバルはとても親近感のある場所となっています。

そのジョホールバル市のあるジョホール州で現在「イスカンダル計画」のプロジェクトが進められています。

イスカンダル計画(ジェトロ殿の分析レポートより引用)
マレーシア政府が推進する五つの重点地域開発プロジェクトの一つで、2006年から開発が始まり2025年に終了予定となっています。この計画では中国資本の大型不動産開発が話題になっていて、1室あたり1億4,000万円~4億4,000万円程度ですがほとんどが売約済となっています。また工業団地の造成も行われ、産業面でのインパクトも大いにあります。

このイスカンダルにシンガポールから移転しようとしている日系企業が現在出てきています。シンガポールに比べてオフィス賃料が安く、賃金も安く物価も安いという訳ですからわざわざシンガポール国内で行う必要のない業務については、イスカンダルに移した方がコスト面でのメリットが出るという訳です。イスカンダル計画では人口島をいくつか造成します。シンガポールが独立国家として誕生して以来、狭い国土の中でどのように国家として成長、存続していけるのかを常に真剣に考えています。例えば干拓事業もその解決策の一つだと思います。インドネシアやフィリピンそして日本などももっと真剣に領有している島を活用したり、保全する事をもっと考える必要があるのではないでしょうか。

地中海にマルタという小さな島国があります。マルタはイタリアに近いので、若者は職を求めてイタリアに出ていったりしていますが、独自の言語をしっかりと持ち独自の文化を今でも大切に守り抜いています。十字軍の戦士達が眠る聖ヨハネ教会には今でも多くの観光客が訪れています。小さな島国のマルタは観光収入で存続を図っていると思われますが、大いに参考になりそうです。

以前、ロケット博士の故糸川英夫さんが、九州から韓国まで自動車で行けるようなプロジェクトを提案された事があります。当時の海底トンネル技術や橋の技術を使えば技術的には可能だと話されていました。いつまでも”周りが海なので云々”と言わないで、大陸につながっていくという積極的な考えも必要なのではないでしょうか。マイカーでロンドンへ買い物に行ける日が是非来て欲しいですね。

【著者プロフィール】
三浦純一 67歳
フォーバル・ベトナムのシニアアドバイザーとして2年。主にホーチミンでの現地法人立上げ、工業団地進出支援。

サイエスト株式会社 海外進出支援サービス 「グローバル顧問」所属
http://www.globalkomon.com

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