海上保安庁は、東南アジア周辺海域における海賊対策のため、令和7年6月11日から約1か月間、巡視船「みずほ」を東南アジア周辺海域に派遣し、公海上でのしょう戒などを実施することを発表した。
日本の海上保安庁の見解によると、東南アジア周辺海域では、令和6年だけでも70件の海賊等事案が発生しており、同事案への対処の取組を沿岸国とともに継続していく必要があるとしている。そのため、海上保安庁では、海賊対策として平成12年以降、東南アジア周辺海域に巡視船を派遣し、監視警戒を実施するとともに、各国海上保安機関との合同訓練を通じた連携・協力関係の強化を図っていた。
今回は、巡視船が、東南アジア周辺海域に派遣されることとなった。派遣される巡視船は、第四管区海上保安本部 名古屋海上保安部所属の「巡視船みずほ(総トン数6,000トン、ヘリコプター搭載型)」となる。巡視船みずほは、『公海上でのしょう戒』『マレーシア海上法令執行庁(MMEA)との連携訓練』『能力向上支援』『日本関係船舶等との官民連携海賊対処訓練』などを実施する。
『公海上でのしょう戒』では、東南アジア周辺海域の公海上における海賊行為の監視警戒を実施し、シーレーンの安全確保を図る。
『マレーシア海上法令執行庁(MMEA)との連携訓練』では、巡視船みずほをポートクラン(マレーシア)へ派遣し、MMEA 巡視船と、海賊対処に係る連携訓練を実施する。
『能力向上支援』では、外国海上保安機関に対する能力向上支援の専従部門であるMCT(Mobile Cooperation Team)をポートクランへ派遣し、MMEA職員に対し、海上犯罪取締りを中心とした海上保安能力の向上を目的とした訓練を実施する。
『日本関係船舶等との官民連携海賊対処訓練』では、日本関係船舶の海賊被害の防止及び迅速な対処体制の確立を目的として、洋上の民間船舶と当庁巡視船の間及び当該船舶の運航会社と海上保安庁の間等における海賊発生情報の伝達訓練等を実施する。