日本の環境省は、「平成30年度アジア水環境改善モデル事業」にインドネシアとフィジーにおける事業を採択した事を発表した。
日本の環境省では、政府の成長戦略の一環として日本の民間企業が有する中小規模生活排水処理・産業排水処理・水域の直接浄化・モニタリング等の技術を活かしたアジア域内の水ビジネス市場への進出を支援する目的で、平成23年度から「アジア水環境改善モデル事業」を開始している。今年度も従来と同様に対象事業の公募が行われ、8件の応募が行われていたが、有識者で構成された「アジア水環境ビジネス展開促進方策検討会」によるヒアリング審査を踏まえて、3件の事業が選定された。
選定された1つ目の事業は、主提案者が「株式会社日水コン」、共同提案者が「三機工業株式会社」「国立大学法人長岡技術科学大学」、案件名が『インドネシア国チタルム川流域の繊維工場排水を対象とした排水処理技術(ABR+DHS)実証事業』となる。この事業は、インドネシア国の排水基準等を満たし、かつ省エネルギー・低ランニングコスト型の排水処理技術の普及を目指すものである。
2つ目の事業は、主提案者が「株式会社日立製作所」、共同提案者が「オリジナル設計株式会社」「一般社団法人 海外水循環システム協議会」「福岡市道路下水道局」、案件名が『フィジー国における嫌気好気ろ床法(A2F法)を活用した低環境負荷型水処理・資源循環システム普及事業』となる。この事業は、経済的かつ環境負荷の少ない下水処理方式である嫌気好気ろ床法の適用により、深刻化するフィジー国の水環境汚染を改善するものである。
3つ目の事業は、主提案者が「株式会社LIXIL」、共同提案者が「三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社」、案件名が『ポータブルトイレシステムによるインドネシア国のスラム地区における衛生環境改善事業』となる。この事業は、トイレを所有しないスラム地区の家屋に可搬式のし尿搬出タンクを備えた一体型トイレを設置し、し尿を地区外に搬出して処理するシステムを導入するものである。