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独立行政法人のJICA(国際協力機構)は、ベトナムにおける人身取引対策を支援する事を発表した。
ベトナムでは、経済面において自由化を導入した事により経済成長が続いているが、都市部と地方部における経済格差が拡大している。そのため地方部から都市部への人の移動が増加した事に伴い、人身取引の被害が増加している。
そのためJICAは、「人身取引対策アドバイザー」を2009年から2011年までベトナムに派遣しており、人身取引の現状等に関する調査を実施していた。その結果、ベトナム政府では人身取引対策に特化した包括的なサービスが提供できていないことが判明していた。この結果を踏まえて、人身取引対策に関する支援を2012年から2016年まで実施していたが、この支援を継続する形で新たな支援プロジェクトが実施される事となった。
新たに実施される支援プロジェクトは「被害者支援及びカウンセリングのための人身取引対策ホットライン運営強化プロジェクト」として、2017年11月から2020年11月までの期間で実施される。具体的な支援内容は、中央・省・市レベルで人身取引対策関係機関との連携・情報共有体制を強化する。その上で、ハノイ市(北部地域)、アンザン省(南部地域)、ダナン市(中部地域)で人身取引対策ホットライン地域コールセンターを整備する。また、全国において人身取引対策ホットラインにかかる人々の認識向上を図る予定である。
JICAは、ミャンマーやタイ等において同様の支援プロジェクトやASEAN諸国の人身取引対策担当官を日本に招聘しての研修などを実施しているため、これらの協力活動を通じて今後も途上国における人身取引問題の解決に貢献していく方針である事を表明している。