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独立行政法人の国際協力機構(JICA)は、タイにおけるコロナ禍と物価高騰の影響を受ける低所得者層の金融アクセスを改善する支援を実施する。
JICAの見解によると、タイでは新型コロナウイルスの影響により、2020年3月以降70%以上の世帯の収入が減少しており、うち約80%が地方部の低所得者層であり、首都バンコク首都圏と地方部の経済格差が大きく、2016年以降には地域間格差が拡大傾向にあるとしている。また、新型コロナウイルスに加えて、ウクライナ情勢を受けた肥料価格の上昇等も影響し、農家の約半数が50%以上の収入減少を経験する等、農業セクターの所得が悪化しており、中小零細事業者の融資アクセスが限定的であり、約60%が金融機関から融資を受けられない点も課題とされていた。
そのため、日本はタイ王国のMTC(Muangthai Capital Public Company Limited)に対し、タイにおける農家、零細事業者、個人等の低所得者層向け貸付資金として、海外投融資による99億円の融資契約に調印し、バンコクで契約調印セレモニーを実施した。この融資は、2019年に日本政府が発表した「対ASEAN海外投融資イニシアティブ」に沿うもので、その柱の一つとして創設された「アジア諸国向け金融包摂促進ファシリティ」のもとで、三井住友銀行(SMBC)との協調融資により実施される。