中国外務省は、南シナ海問題を解決するために中国政府がフィリピン政府へ鉄道供与を行うという可能性を否定しなかった。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は大統領選挙の時点から、南シナ海問題に関しては中国政府から鉄道供与などの経済協力を受けたうえで、中国政府が強硬的な開発を停止する事で問題を解決するとの方針を打ち出していた。大統領に就任してからも、この方針は変更しておらず、中国政府との二国間交渉により解決する方針を明言していた。両政府の話し合いは非公開で行われており、その際にはマニラ首都圏とクラーク国際空港を結ぶ鉄道建設を中国政府が請け負うという提案が行われた。しかし、中国政府がハーグ仲裁裁判所の判決を前提としない話し合いを要求した事に対して、フィリピン政府が断ったために話し合いは中断していた。
このドゥテルテ大統領が18日から21日に中国に訪問する事が決定し、南シナ海問題に関しても再び話し合われる事となった。
中国外務省で10月13日に実施された定例記者会見の際に、参加した記者から「中国外務省はフィリピンのドゥテルテ大統領が訪問するというリリースを発表しました。ドゥテルテ大統領は中国政府との経済協力などへ高い期待を持っていますが、中国政府はフィリピン政府と経済協力を行う計画を持っていますか?また、中国政府はフィリピン政府に対して新しいインフラ整備や鉄道建設の支援を行う可能性はありますか?」という質問が行われた。
この質問に対して中国外務省の報道官は「中国とフィリピンは地理的に近く、友好関係を築いています。両国は共通の利益を得るために二国間関係を改善していきます。中国政府はフィリピン経済を成長させようというドゥテルテ大統領の経済政策を支援しています。中国政府はフィリピンの社会経済の発展のための支援に積極的に参加しており、インフラ整備などの分野においては協力していく方針です。」と回答した。報道官は、鉄道供与を行う事は明言しなかったが否定しておらず、中国は鉄道供与により南シナ海問題を解決していくとみられる。
アセアン10カ国情報










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