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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、フィリピン政府はアメリカ政府との軍事同盟を今後も継続していく方針である事を12日に発表した。ドゥテルテ大統領は先日の発言でアメリカ政府との同盟関係を解消すると明言していたが、この発言を訂正する事となった。
ドゥテルテ大統領は、アメリカ政府が国内の麻薬撲滅問題に介入しようとしている事に対して強く抗議し、オバマ大統領を激しく批判していた。また、フィリピン政府はアメリカ政府の助力を必要としていないとして、アメリカ政府からの武器購入を止め、既存のフィリピン・アメリカ軍事同盟を破棄すると明言していた。
しかしながらドゥテルテ大統領は12日に、アメリカ政府との軍事同盟関係は維持すると、以前の発言を訂正する事となった。しかしながら、アメリカ政府との共同軍事演習は中止し、中国政府やロシア政府などを念頭におき外交政策を再編成していくと述べた。既に締結している軍事同盟や協定などを破棄する事は行わないが、今後は独立した外交政策を実施していくとしている。
今回の発言は、フィリピン大統領に1992年から1998年の間就任していたフィデル・ラモス元大統領が、ドゥテルテ大統領の基本政策を否定する見解を発表した事も影響があるとみられている。ラモス元大統領は、麻薬撲滅活動を最優先としてアメリカ軍との同盟関係を破棄しようというドゥテルテ大統領の基本政策を批判していた。フィリピン大統領府も、このラモス元大統領の発言は価値があるものとして評価していた。