静岡県がブラジル人とフィリピン人を対象に9月に実施した新型コロナウイルス外国人県民影響調査によると、6月に比べると失業の状況が改善していることが明らかになった。
静岡県のくらし・環境部県民生活局多文化共生課では、新型コロナウイルスの影響を把握するため、6月時点で外国人県民への調査を実施していたが、再び9月1日時点での外国人県民への調査を実施し、この調査結果を取りまとめた。調査対象はブラジル人とフィリピン人の外国人県民となり、調査方法はインターネットによるアンケート方式となった。回答件数は、ポルトガル語205件、フィリピノ語121件の合計326件となった。静岡県では、今回の調査結果を受けて、調査結果を市町や関係機関などとも共有し必要な施策を検討していく方針である。
『困っていること、心配なこと』に対しては、「自分や家族の感染」が83%(前回82%)、「収入の減少」が68%(前回79%)、「失業や休業」が66%(前回69%)となった。
『仕事の状況の変化』に対しては、「休業や勤務時間の減少により、収入が減った」が35%(前回49%)、「これまでと同じように仕事をしている」が34%(前回16%)、「仕事を失って、失業中である」が14%(前回22%)となった。
『行政に「強く望む」支援・サービス』に対しては、「医療機関での通訳サービス」が67%(前回63%)、「母語で受診可能な医療機関の情報」が67%(前回61%)、「母語で相談可能な福祉等の窓口設置」が62%(前回58%)となった。
『子どもの教育環境の変化』に対しては、「特に変化はない」が69%(前回57%)、「外国人学校をやめて、不就学となっている」が3%(前回5%)、「外国人学校や日本人学校をやめることを検討している」が3%(前回3%)となった。
なお、6月に行われたアンケートでは、『県や市に対してどのような支援・サービスを望むか』に対しては、「就職・転職のための技能・技術や日本語学習の支援」「市役所などにおける福祉資金の貸付や給付金の申請手続き等に必要な通訳の支援」「医療機関における通訳サービスの提供」「母語で相談や受診ができる医療機関の情報(リスト)提供」「就職のための情報提供」「母語で相談できる家庭の問題や福祉に関する窓口の設置(通訳の配置を含む)」「子どもたちの教育や生活に関する支援」「母語による感染予防や注意事項などに関する情報提供」の順に要請が強かった。