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ミャンマーで活動する一部の人権派団体は、ミャンマーから中国へ翡翠密輸が増加し現地住民の生活に悪影響が出ていると指摘しているが、中国政府は翡翠の密輸を禁止しており現状では問題が無い、と中国外務省の報道官は12月8日の定例会見において見解を示した。
ミャンマーでは翡翠(ひすい)が豊富に埋蔵され、現地住民達の間でも重宝されていることもあり昔から採掘されていた。隣国の中国でも翡翠は重宝されていることもあり、ミャンマーから中国への翡翠の輸出が年々増加していたが、近年ではこの量が加速しており、現地住民に悪影響を与えている。
特に問題視されているのが、この翡翠の密輸によって得た利益が地元民などに還元されず、採掘会社および一部のミャンマー政府高官のみに利益が流れている疑いがあることである。ミャンマー政府ではこれらの翡翠の輸出入に関する詳細情報を公開していないため、全容が把握できなく不正の温床となっている。また、翡翠の採掘・輸出入などの一連の管轄はミャンマー政府自体が管理しているため、ミャンマー政府が確信犯的に密輸に関与しているという疑いも指摘されている。国自体が不正に関わっている疑いがある輸出入であるため、翡翠を購入する海外企業からは、この輸出入は合法か密輸なものであるかの判断が付きにくいという背景も存在している。
中国政府の見解としては、中国企業は合法的にミャンマーから翡翠を輸入しているのであり、ミャンマー政府内部における不正には何ら関与しておらず、結果として中国側には何ら問題がないとしている。