日本政府はミャンマー政府に民主化の支援および少数民族との和平に関する支援をしており、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の基本方針のもと、昨年の1月には少数民族との和平に今後5年間で総額100億円程度の支援を実施することを表明している。これらの支援に感謝の意を示すために、アウン・ミン・ミャンマー大統領府付大臣が安倍総理大臣への表敬訪問を実施したことを日本の外務省は発表した。
この表敬訪問において、安倍総理大臣からは、少数民族との和平交渉を担当しているアウン・ミン大臣の初の訪日を歓迎するとともに3月31日にミャンマー政府が少数民族勢力の連合体である全国規模停戦調整委員会(NCCT: Nationwide Ceasefire Coordination Team)との間で停戦合意文書の内容につき基本的な合意を実施したことを歓迎し、関係者の尽力に敬意を示した。今後も日本政府はミャンマー政府への支援を継続する旨を伝えた。
アウン・ミン大臣からは、安倍総理大臣へテイン・セイン大統領からの親書が手渡された。新書によると、ミャンマーの現政権は少数民族との和平交渉を必ず成功させる決意であり、停戦文書に近く正式に署名し政治対話へと進んでいく方針である。大臣からは、改めて日本による各種支援に感謝を述べた上で、今後も日本からの継続的な支援が実施されることへの期待が述べられた。
両者は、今後もミャンマーにおける少数民族との和平プロセス進展に向けて引き続き連携していくことで一致し、少数民族地域の民生向上に関しても支援していくことを確認した。
またミャンマー政府における民主化に関しても話題に上がり、アウン・ミン大臣からはテイン・セイン大統領は和平と共に民主化の推進を重視している旨の説明があり、安倍総理大臣からは、ミャンマーにおける民主化が更なる進展することを望んでおり、特に本年末の総選挙が自由かつ公正に実施されることを期待する旨が説明された。
ミャンマー政府は、2011年8月以来に国内和平達成のため、少数民族武装勢力のうち16勢力を対象に和平交渉を実施しており、これまで14勢力と停戦合意していた。残りの2勢力のカチン独立機構(KIO)及びタアウン(パラウン)民族解放軍(TNLA)を含む全国規模停戦調整委員会(NCCT)との間で停戦合意文書の内容につき2015年3月31日に基本的合意に達したことからも、今後は順調に和平向けた行動が実施される見込みである。