JICAはミャンマーから避難民受入のバングラデシュを支援

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日本の国際協力機構(JICA)は、ミャンマーのラカイン州から避難してきた人々を受け入れているバングラデシュのコックスバザール県の地域住民の生計向上を支援する取り組みを実施する。

ミャンマーと国境を接するバングラデシュのコックスバザール県は、1970 年代からミャンマーからの避難民が流入し、2017年8月以降はミャンマー・ラカイン州の情勢悪化により、さらに大勢の避難民が同県内に流入し、2021年2月時点で約87万人 の避難民が同県にある避難民キャンプでの避難生活を余儀なくされているとされている。

バングラデシュ政府は、避難民を早期にミャンマーへ帰還させるという方針を立てつつも、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などと協力の下、避難民に対し人道的な支援を行っていた。しかし、ミャンマーへの避難民の帰還に向けた政府間協議に目立った進展は見られず、避難民の帰還やホストコミュニティを取り巻く社会経済的情勢の改善は短期的には期待できない状況であった。また、避難民キャンプを受け入れるホストコミュニティを中心に同県内の生活物資・食料品・移動交通費の高騰、労働市場の混乱(日雇い労働機会の減少、賃金の低下等)が生じていた。

そのため、日本政府は避難民受入れ地域住民の生計向上支援を実施することを決定した。今回の支援は、『ベンガル湾沿岸地域漁村振興プロジェクト』として、60ヵ月にわたって実施される予定である。対象となる地域は、ダッカ、コックスバザール県のベンガル湾沿岸地域となる。この支援では、コックスバザール県のホストコミュニティにおいて、避難民流入の影響を特に受けている漁業従事者に対し、養殖、加工、漁業資源管理技術や地域内の水産物バリューチェーンの改善、漁業以外の収入機会の創出や栄養改善の促進を行う。これらにより、漁業従事者の生計向上を目指し、もって同地域の安定した生活の確保に寄与する。

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