インドネシア高速鉄道の建設に遅れ、中国との関係強化に警鐘も

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インドネシアのジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道を中国政府が受注することとなり、両国政府の国営企業からなる合弁企業が建設を開始するための準備を開始しているが、一部の調査および事前対応が完了していないにも関わらず建設を推し進める事態となっている。

インドネシア国家開発企画庁や現地メディアなどの報道によると、インドネシアのジョコ大統領は、着工式を早期に開催することを最優先とし、作業を急ぐことを関係部署に指示していた。これらの指示を受けて関係部署では作業を急いでいたが、環境・林業庁などからは、まだ建設作業を進められる状況ではないとの回答が挙がっている。これは、鉄道建設が環境に与える影響を調査した分析結果が、残念ながら現状では建設を容認できる状況では無かったためである。特に危険視がされているのが、調査および改良に時間がかかる地質調査・水調査であり、現状では開発を強行した場合に、地滑りなどが発生する可能性が指摘されている。しかしながら、この問題は些細な問題であり、建設開始後に対応すれば良いとの声も関係者から挙がっており、完全な安全性よりも着工を急ぐこととなる見込みである。

インドネシアの現地メディアなどでは、この高速鉄道の開発プロジェクトでトラブルが多発している現状を間近でみて、インドネシア政府が日本政府よりも中国政府との関係を重視している現状に疑問符を掲げている。中国政府がAIIBを設立し、インドネシアもこのAIIBから融資を受けることを想定しているが、果たして妥当な金利などの条件で融資を受けることが可能となるのか、従来から融資を受けていた世界銀行(WORLD BANK)やアメリカと日本が主導しているアジア開発銀行(ADB)などからの融資も、従来通りに継続して受けれるかを疑問視している。これらの金融機関からの融資が受けられてない場合には、融資を受けることを前提とした大型インフラの建設が厳しくなり、想像を絶する状況に繋がる危険性を指摘している。

また、中国政府への傾斜がインドネシア全体の利益に繋がらないと述べる現地メディアも出てきている。南シナ海における領有権問題で中国政府はベトナム政府とフィリピン政府とも争っているが、中国政府との関係を強化することは、この隣国の2カ国との友好関係にも影響がおよぶ。何よりも中国政府と関係を強化することは、大国のアメリカ政府と日本政府との間に関係を悪化させることに繋がりかねない。現在のジョコ大統領は大国の間を渡り歩くバランス外交を実施しているが、これは失敗した場合には両方の大国から嫌われることなる。タイ政府もバランス外交を従来から実施し一定の成果を出しているが、この外交は容易に真似出来るものではない。などとジョコ政権を批判している。

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