日本の総合商社である三菱商事株式会社は、三菱商事が最大株主であり韓国ガス公社などと共同で設立したドンギ・スノロLNG(DSLNG)社が、建設していたプラントの完成に伴い、インドネシア国営石油・ガス会社のプルタミナ社のアルン基地向けに、初出荷を開始したことを発表した。
このプロジェクトは、LNGを日本に安定的に供給するために、三菱商事が2011年1月に最終投資決定を行ったプロジェクトである。インドネシアの中部スラウェシ州において、約4年半の期間、総事業費約29億アメリカドルをかけた巨大なプロジェクトであり、年間約200万トンの生産能力を有する液化プラントである。液化天然ガス(LNG)の生産は6月24日より開始しており、今回が初出荷となる。この地で生産されるLNGの配分は、韓国ガス公社等と個別に締結している長期販売契約に基き、年間約100万トンを中部電力、約30万トンを九州電力、約70万トンを韓国ガス公社に出荷する。
今回のプロジェクトは、従来の欧米メジャーが主導的役割を担っていた従来のLNGプロジェクトとは異なり、三菱商事が主導となり初めて開発・運営を主導するオペレーターを務めたLNGプロジェクトの第1号案件であり、様々な日本企業が協力している。また、このプロジェクトはLNG世界最大需要家の一社である韓国ガス公社との初の協業案件である。三菱商事は今後も韓国ガス公社との良好な関係を活かし、供給源の多様化を進め、東アジアのエネルギー安定供給にも貢献していく方針である。
DSLNG社は、今後も開発段階から地域社会に対する支援(雇用創出・インフラ整備・職業訓練・教育支援)などを継続し、引き続き地域社会との共生だけでなく安全・環境面にも十分に配慮しながらプラントの安定操業を目指していく方針であることを表明している。