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独立行政法人のJICA(国際協力機構)は、インドネシアに日本独自の制度である社会保険労務士制度を導入する支援を実施する事を決定した事に伴い、署名式を16日に実施した事を発表した。
インドネシアでは、経済成長が続き人口も増加しているが、出生率の引き締めを実施している事に伴い、いずれは少子高齢化が進むことが見込まれている。そのため、早期に安定的で効率的な社会保険制度を確立する必要が出てきていた。しかしながら、インドネシアでは労働保険に加入する率が非常に低く、公務員・法人として登録されている企業で働く者等で37%、法人として登録されていない団体で働く者等は0.4%の加入率となっていた。
インドネシア政府では、この現状を改善させるために労働保険への参加を呼び掛けているが、健康保険制度の存在や必要性を理解していないために、加入者数が伸び悩んでいる。そのためJICAは、日本の厚生労働省や社労士会と連携したうえで、インドネシアにおいて日本の社会保険労務士制度を導入する支援を実施する事を決定した。JICAにとっは、社労士制度の導入を支援するのは、今回が初めての事となる。
今回の支援は、「社会保険実施能力強化プロジェクト」として2017年8月から2020年8月までの期間実施されるものとなる。支援を実施する相手機関は、社会保障審議会(DJSN)・社会保険実施機関(健康)(BPJS健康)・社会保険実施機関(労働)(BPJS労働)となる。具体的に実施する支援内容は、インドネシア版社会保険労務士制度等の運営の仕組み構築や、社労士育成のための講習、試験実施等への支援を実施していく予定である。