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農林水産省は、アニマルウェルフェアに関する新たな指針を7月26日に公表した。
世界の動物衛生の向上を目的とする国際機関で日本も加盟している国際獣疫事務局(OIE)では、「アニマルウェルフェアとは、動物が生きて死ぬ状態に関連した、動物の身体的及び心的状態をいう」と定義している。
日本の農林水産省では、アニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及に努めているため、新たな指針を発表した。なお、この指針は、アニマルウェルフェアの推進に国が主体的に取り組むことを国内外に示すため、OIEコードにおけるアニマルウェルフェアの国際基準に沿った形で整理したものとなり、法律に基づく指針ではないため、罰則やペナルティーを伴うものではないとしている。
今回の指針では、「乳用牛の飼養管理」「肉用牛の飼養管理」「豚の飼養管理」「採卵鶏の飼養管理」「ブロイラーの飼養管理」「馬の飼養管理」「家畜の輸送」「家畜の農場内における安楽死」に関する技術的な指針が示されている。これらの指針では、基本的には家畜の保護を今まで以上に行うものとなり、結果的にはコスト増加に繋がってしまう可能性が高いものが多くなっている。
「採卵鶏」に関しては、実施が推奨される事項として、『同じ鶏群の全ての鶏に対し、妨げられることなく、同時に休息し、正常な姿勢をとる等のために十分な空間を与える。平飼い方式の場合、おとなしい系統の選択や飼養空間の拡大、つつきをする鶏の分離等を行う』などをあげている。