日本の経済産業省は、職場における日本人社員と外国籍社員の効果的なコミュニケーションに向けた学びを促進するため、「日本人社員も外国籍社員も 職場でのミスコミュニケーションを考える」動画教材及び学びの手引きを策定した。
「日本人社員も外国籍社員も 職場でのミスコミュニケーションを考える」では、【仕事に関する文化・習慣の違いから生じるミスコミュニケーション】【配属やキャリアの視点で生じるミスコミュニケーション】【その他の文化・価値観の違いから生じるミスコミュニケーション】などの説明が行われている。
【仕事に関する文化・習慣の違いから生じるミスコミュニケーション】では、「5分前行動」「定時退社」「チームでの仕事」「資料の様式」に関しての説明が行われている。「5分前行動」では、『日本の会社で、9時に仕事を始めるというと、5分前には会社にいて、9時から仕事を始めると考える人が多いですが、9時に会社に着けばいいと考える人もいます。人によって考え方は違いますので、5分前に来てほしい時は、前の日まで、言葉でそう伝えましょう』としている。「定時退社」では、『残業をつらいと思わない外国籍社員もいますが、そうでもない人もたくさんいます。残業は当たり前のことではありません。残業をお願いしなければならない時は、どうして残業が必要なのか、相手がわかるようにはっきり説明してから、仕事をお願いしましょう』としている。
【配属やキャリアの視点で生じるミスコミュニケーション】では、「配属」「長期休暇」「キャリアプラン」に関しての説明が行われている。「長期休暇」では、『結婚や葬式などが、日本よりも長い国があります。たとえば、ベトナムでは2回結婚式をして、みんなでお祝いもしますので、結婚するためには、長い間、国に帰る必要があります。まず文化の違いを知ってから、今の会社のシステムをもう一度考えてみてください。外国籍社員だけではなく、みんなにとって仕事がしやすいシステムになるといいでしょう』としている。
【その他の文化・価値観の違いから生じるミスコミュニケーション】では、「宗教礼拝」「飲みニケーション」「ひとりぼっちの部下」に関しての説明が行われている。「宗教礼拝」では、『国によっては、宗教と生活は強く関係があります。また宗教によっては、1日に何度かお祈りします。社内にお祈りができるところ(5畳くらいの広さとカーペットなどがある部屋)があるといいでしょう』としている。「飲みニケーション」では、『仕事の後に会社の人と飲みに行く文化のない国もあります。プライベートを大切にしたい、予定がある、などいろいろな理由もあります。飲み会の日ではなく、もっと前の日に予定を聞いたり、目的を説明するなど、飲み会に参加しやすくすることも大切です』としている。