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日本の農林水産省は、日本の農産物保護等を目的として、タイ政府と地理的表示(GI)分野での協力を開始する事を発表した。
日本には「〇〇りんご」「〇〇牛」「〇〇いちご」「〇〇カニ」などの日本の地域で生産された農産物等が存在しており、海外においても一定の知名度を得ている。しかしながら海外では、日本産では無いにも関わらずに不正に日本の地域名称等を使用し、日本産であるかのように錯覚させるケースが多発していた。これらのケースでは、生産者と購入者の両方にとっての利益に繋がらずに、地域ブランドが低下する恐れがあった。
そのため農林水産省では、2015年から施行された「地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)」に基づき、国内外において地域ブランドの保護を進めていた。海外政府との間においては、カンボジア・フィリピンと既にGI分野での協力を進めており、新たにタイ政府との間でGI分野の協力を進める事となった。
農林水産省とタイ商務省知的財産局が協議した結果、GIの重要性と相互保護の必要性について認識し、この分野における協力を開始する事を合意した。具体的な協力として「相互のGI保護の法規、保護の運用等についての情報交換」「GI産地の相互訪問」「GI産品を相互に申請し保護する試行的事業の実施」を実施していく予定である。なお、タイ国内では商務省知的財産局が2003年から「地理的表示保護法」に基づき、GIを保護している。