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タイの選挙管理委員会は、7日に実施された新憲法草案に対する国民投票において7日の深夜の時点で集計した結果、94%の開票率の時点で約60%の賛成が得られていた事を発表した。これにより、新憲法の草案が承認される事がほぼ確実となった。
タイでは、一昨年の7月に軍事クーデターが発生し、その後は軍事クーデターを主導したプラユット・チャンオチャ氏が暫定首相に就任し、タイの実質的なトップとしてタイ政権を掌握していた。このプラユット暫定首相に対しては、国内の有識者や海外から早急な総選挙を実施し民主化に戻るように要求されていた。そのためプラユット暫定首相は、総選挙と民主化を行う前に新しい憲法の草案を作成し、これを国民に問うために総選挙を実施する事を決定していた。
この草案では、民主化が実施された後も5年間は全ての上院議員は軍が任命することとなり、実質的には軍の統治が続くこととなる。また憲法裁判所などの司法機関の権限が強化されるため、更なる言論統制が行われる事も想定される。
この新憲法の草案は民主的とは言えないものであるが、混乱を嫌う国民の多数が安定を求めて受け入れる事となった。またタイでは政治家の腐敗が横行していたことから、軍主導の統治の方が結果的には良いと考え賛成する人も多数存在していた。