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フィリピン国防長官は、フィリピン政府が領有権を主張する「ベンハム海盆(Benham Rise)」近くの排他的経済水域(EEZ)内に当たる海域において、昨年に中国籍の調査船が発見されていた事を明らかにし、今後はこの地域における海洋パトロールを強化していく事を発表した。
中国籍の調査船が発見された地域は、国際連合に属する大陸棚限界委員会が2012年にフィリピンの領有権主張を認めたベンハム海盆の周辺となる。この海域には、天然資源が豊富に埋蔵されているとしており、漁業的にも重要な立地であるとされている。
フィリピン国防長官は現地メディアの取材に対して「昨年に中国籍の調査船が、南シナ海のみならずベンハム地域において約3か月にわたり海底などを調査していた可能性があります。この地域はフィリピンの領海であるため、不当な行為と考えられます。今後は警備を強めていき、同様に中国籍の調査船が侵入してきた場合には、侵入を許すことはないでしょう。」との旨を述べていた。
中国外務省は今回の報道に対しては「フィリピン国防長官の発表した通りに、中国籍の調査船はその地域を横断した事がありました。これは航空の自由を実施しているだけであり、何ら問題が無い行為です。フィリピン政府と中国政府は事実を適切に把握したうえで、認識の違いを適切に解決していくべきです。両国は二国間関係を発展させていき、相互利益のための協力を進めていくべきです。」との見解を示している。