フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、カトリック教会の司祭の中には腐敗している者がおり、これらの者を許すことは出来ず、今後は不正などを追及していくとの考えを述べた。
フィリピンでは国民の約9割がキリスト教徒であり、このうちの9割がキリスト教の教派の一つであるカトリックである。このカトリック教会では、ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅活動や他の様々な政策を強く批判していた。
カトリック教会は、麻薬撲滅活動に関しては「麻薬撲滅活動により殺された人々の中には、冤罪の者が多数含まれていた可能性もある。このような過激な方法を即時に停止すべき。」などの批判を行っている。
ドゥテルテ大統領が死刑制度を再開させる事に関しては「死刑制度の復活に反対する。人を殺すことは神だけが出来る事である。」などの批判を行っている。
貧困対策の一環として子供の数を制限する法案の構想に関しても批判している。ドゥテルテ大統領は、フィリピンの貧困対策の一環として、3人以上の子供を出産する場合には何かしらの制約を課す事を検討している。これは、貧困層が子供を十分に養えるだけの収入が無いにも関わらずに無計画に子供を出産するケースが多いためである。この考えに対してもカトリック教会は、「命は尊重されるものであり基本的に避妊や中絶は行うべきではない。」などの批判を行っている。
ドゥテルテ大統領は、カトリック教会が国民に対して強い影響力を持つことからも、表立った教会批判は行っていなかった。しかしながら、カトリック教会のドゥテルテ大統領批判は収まらずに継続されており、かつカトリック教会が腐敗していると感じた事から、表立った批判を行った。
ドゥテルテ大統領は、キリスト教自体は否定しておらず、政府の敵でも無く、2015年にローマ法王がフィリピンに訪問した事には感謝すると前置きを置きながらも「カトリック教の司祭の中にはたわごとを言う人がいます。麻薬撲滅活動に反対するだけでなく、政府へ金品を要求した人もいたのです。他にも罪深い行為を行っている人もいます。私は偽善を行う司祭は許しません。」と怒りを露わに述べ、他にも司祭が腐敗している例を多数挙げた。