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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、中国政府側が仲裁裁判所の判決を無効としたうえで様々な前提条件を付けたうえでの話し合いを要求していることにたいして、譲歩するのはフィリピンでは無く中国側であり和解をしたいのであれば中国側から最大限有利な条件をもったうえで話し合いに来るべきである、と側近に語った事を現地メディアが報じた。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、当初は中国政府からの鉄道供与等を条件として南シナ海問題を棚上げとする方針であった。しかし側近のヤサイ・フィリピン新外務大臣などからの助言もあり、仲裁裁判所の判決を待ったうえでの話し合いによる解決を行う方針に変更していた。大方の想定通りに仲裁裁判所はフィリピン政府に有利な判決を下したため、中国政府はフィリピン政府に対して仲裁裁判所の判決を無効とする事に同意したうえで話し合いに応じるように要請し、非公式な会談が実施された。
この非公式な会談においては、中国側から様々な前提条件がつけられたために、話し合いは決裂した。この会談の結果を受けてロドリゴ・ドゥテルテ大統領は側近に対して「私はむやみやたらに中国政府を挑発する声明などは発表していないのに対して、中国側は私に色々と要求してくる。そもそも仲裁裁判所の判決は中国に不利な内容であるのだから、中国側はこの判決に従うべきであるし、従わないとしたら最大限にフィリピン側に有利な条件を提示し譲歩したうえでの話し合いを中国側から行うべきである。南シナ海問題で譲歩する必要があるのはフィリピン側では無い、中国側である。」との旨の見解を述べている。