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中国外務省は、フィリピンの大統領候補者が中国政府から鉄道インフラ整備支援を受けた場合には南シナ海問題を棚上げする可能性があると発言した事に対して、中国政府はこの考えを歓迎するとの見解を示した。
フィリピンでは、アキノ大統領が任期満了で退任する事に伴い、5月9日に大統領選が実施される。この有力候補者の一人であるロドリゴ・ドゥテルテ氏は、「自身が当選した場合には、中国政府とは経済協力を進めていく。中国政府がフィリピン政府へ鉄道インフラ整備支援を実施する場合には、現在の紛争中である南シナ海問題は棚上げにする可能性がある。」と発言していた。ドゥテルテ氏はミンダナオ島のダバオ市長を務めた際に「麻薬組織や犯罪組織に所属するものは殺害してでも逮捕する。」などの過激な発言を繰り返していたが、実際にダバオ市の治安を劇的に改善させた実績があるため、今回の大統領選においても支持を集めている。過激な発言を繰り返していることから、近年ではフィリピンのドナルド・トランプ氏とも呼ばれている。このドゥテルテ氏の支持率は急上昇しており、調査会社による支持率調査の結果では、1位となっている。
中国外務省で21日に実施された定例記者会見の際に、記者からドゥテルテ氏の発言に対する見解を求められた際に報道官は、「中国政府は友好国であるフィリピン政府を支援する事は当然であります。フィリピン政府も中国政府との関係を発展させていくことを重要視すべきであり、両国関係が改善する事を願っています。」との旨を述べた。