フィリピン国軍らは、日本との間で部隊間協力円滑化協定が発効するため、フィリピン軍は日本軍と共同軍事作戦が可能になったと歓迎したが、岩屋外相は共同軍事作戦との表現ではなく共同訓練が可能との旨を述べていたことが明らかになった。
日本政府とフィリピン政府は、2024年7月8日に「日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)」への署名を実施していた。その後、フィリピンでは、フェルディナンド・R・マルコス・ジュニア大統領が2024年11月5日に協定を批准し、上院は12月に批准していた。日本では、2025年6月6日に参院本会議で可決・承認したことにともない、両国の間で、この協定が正式に発効することとなった。
フィリピンの国家安全保障会議(NSC)は、この発効は、フィリピンと日本の防衛関係における決定的な瞬間となり、フィリピン軍と日本軍による共同軍事作戦(joint military operations)、訓練、人道支援活動を可能にするものであると述べた。また、この協力は、インド太平洋の安全保障環境がより不安定になっている時期に、両国に信頼性と有効性を有したうえで協力する手段を与えることとなり、主権・法の支配といった原則を守るために使用されるものであるとしている。
フィリピン軍司令官のロメオ・ブローナー・ジュニア大将は、私たちは日本側の継続的な協力に感謝し、RAAの完全な実施を期待していますとの旨の声明を発表している。
なお、岩屋外相は6月6日に実施した外務大臣記者会見の際に「日本とフィリピンのRAAですけれども、これは一方の国の部隊が他方の国を訪問して活動を行う際の手続を定めることや、同部隊の法的地位を明確にすることなどを通じまして、共同訓練、あるいは災害救助といった、部隊間の協力活動の実施を円滑にするとともに、部隊間の相互運用性の向上を図るものでございます」との旨を述べていた。