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在フィリピン日本大使館は、日本政府が実施していたタルラック州アナオ町における農業機材整備計画の支援が完了したことにともない、引渡し式典が開催されたことを発表した。
フィリピンのタルラック州アナオ町は、住民の多くが農業に従事し、それを収入源としているが、田畑の耕うん及びコメやトウモロコシの収穫作業が機械化されておらず、人力もしくは役畜を用いて行っている現状であった。人力による農地整備作業や収穫作業は農業機械を使う場合に比べて3倍以上の時間がかかる上、人力での収穫作業では作物の取りこぼしが発生しやすく、アナオ町住民は毎年収穫量の約5%弱に当たる量を損失していた。そのため、日本政府はこの問題を解決させるための支援を実施することとなった。
この協力は、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業「タルラック州アナオ町における農業機材整備計画」として実施された。この支援では、農業機材(トラクター1台、ディスクハロー1基、ロータリー1基、コメ収穫用キット付属穀物収穫機1台、とうもろこし収穫用キット1基及び穀物収穫機を運搬するトレーラー1台)の整備のために89,042米ドルをアナオ町に供与した。この事業によって、同町の約260農家が機械による耕うん及び穀物収穫作業を行うことが可能になり、それによって農家の生産性及び収入の向上が見込まれる。