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フィリピン大統領府は、子どもの権利ネットワーク(CRN)が、フィリピン上院に対して、法定強姦(性的同意年齢未満への子供に対する性行為)の判定年齢を、現在の12歳から16歳以上に引き上げるよう、あらためて要請したことを明らかにした。
この提案は、上院法案「法定強姦の判定年齢の引き上げ」(End Child Rape法案)の目玉となっているとしている。また、この法案は、有罪が証明された者に対する『結婚する場合は許す』という条項を削除し、少年少女に平等な保護を与えることも提案している。
フィリピン大統領府によると、CRNからは「フィリピンの法律では、12歳の子供との性交渉が自動的に児童レイプとみなされるわけではありません。子どもたちが、性交渉の同意の欠如を証明するために、法廷で虐待の経験を語る場面を数多く見てきました。レイプ犯に手玉に取られた子どもたちは、法廷で加害者に不利な発言をするよりも、沈黙を守ることを選ぶことがあります。いくつかの裁判記録では、近親相姦の場合でも、子どものレイプ被害者は、行為を楽しんだかどうかを尋ねられています。現行の法律では、被害者への非難が合法化されています。多くの被害者がトラウマを克服するために、沈黙を守るのは当然のことでもあります」との見解が示されているとしている。
フィリピン下院では、2020年12月に「End Child Rape」法案を可決したが、上院はまだ本会議での審議を開始していない。
なお、フィリピン現地メディアによると、この法定強姦判定年齢を引き上げるべきかということに関しては、賛成する声が多い一方で、女性からは反対の声もあがっているとしている。