熊谷知事の千葉県は、地方自治体においては越権行為と捉えられる可能性がある夫婦同姓制度の検討に関し、回答者の7割近くが50歳以上となった大幅に偏った状況であるが、選択的夫婦別姓制度を導入した方がよいとの者が36.9%であったことを発表した。
千葉県では、県民を対象とした意識調査となる。令和6年度「男女共同参画社会の実現に向けての県民意識調査」を実施した。この調査は、県における男女共同参画の意識の変化や実態を把握し、今後の県の施策を推進するための基礎資料とすることを目的とするとともに、社会情勢の変化を踏まえ、選択的夫婦別姓制度や男性の育児休業取得の推進などの調査項目を新設している。
調査対象は千葉県在住の満18歳以上の個人、標本数は2,000人、標本抽出法は住民基本台帳に基づく層化二段無作為抽出、調査方法は郵送により調査票・返信用封筒を配布し郵送・オンラインで回収、調査期間は令和6年10月15日から11月5日、回収結果は636(31.8%)となった。
アンケートの回答者の属性は、性別は、女性が52.8%、男性が42.6%となった。年齢は、70歳以上が29.1%、60~69歳が18.2%、50~59歳が19.3%、40~49歳が14.3%、30~39歳が9.3%、20~29歳が6.8%、18~19歳が0.9%となった。
新設された『選択的夫婦別姓制度についての考え』の質問は、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい」が12.9%、「現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい」が37.3%、「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」が36.9%で、「無回答」が12.9%となっていた。
なお、日本の総務省によると、国と地方の役割分担に関しては、【地方公共団体は、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとされ、地域における事務及び法令で定められたその他の事務を処理する】と定義している。また、国が本来果たすべき役割として【国際社会における国家としての存立にかかわる事務】【全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施】としている。
また、神奈川県の黒岩知事などは、選択的夫婦別姓制度・夫婦同姓制度などは地方自治体ではなく国が策定し検討するものであるとの旨の見解を示しており、特段の意見は示していない。