AIIBへはアセアン全ての国が参加を表明

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画像:ADBの報告書から作成(2013年末時点)
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中国が主導し設立を目指しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)には合計で50カ国程度が参加する見込みである。現時点における発表では、アセアンの10カ国(ブルネイ・カンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム)の全てが参加する見込みであるが、これらの10カ国におけるAIIBへの支持の度合いは大きく異なっている。

中国との南シナ海の領有権争いを繰り広げているベトナムとフィリピンに関しては、AIIBの設立を積極的に支持をしていないが、参加しない場合にはAIIBからの融資等を受けられない可能性が高くなるため、止む無く参加を表明しているという現状がある。

一方で、カンボジアとラオスはAIIBを積極的に支持している。
特にカンボジアでは、中国がAIIBとは別に設立を表明しているシルクロードファンドから、昨年の11月の時点で既に多額の支援を受けることを表明しており、今回のAIIBに関しても積極的に支持することを表明している。これらの支援を受けているためか、南シナ海の領有権争いに関しては「領有権争いは当事者同士の国で解決するべきであり、ASEAN全体の枠組みで解決すべきではない」との見解を示すようになっており、ASEAN全体で対中国包囲網を張りたいベトナム・フィリピンと大きく意見が異なっている。
ラオスに関しては、以前のニュース(ラオスへのODAは日本がトップ)でも報じているが、ODAの供与額は日本がトップであったが、近年では中国はラオスへの支援を推進しており、このAIIBに関しても更なる支援を獲得するために、ラオスはAIIBの設立を積極的に支持している。

現時点では日本はAIIBへの参加を表明していない。日本政府は、日本とアメリカが主体的に運営し日本人が総裁を務めているアジア開発銀行(ADB)や、世界銀行(WorldBank)などで、アジア各国への支援は十分に対応出来ると考えているためである。特にアジア開発銀行では日本が最大の出資者(15.7%)であることからも、今後もアジア開発銀行を軸とした支援活動を進めていく見込みである。

【ADBの出資比率】
日本:15.7%
米国:15.6%
中国:6.5%
インド:6.4%
オーストラリア:5.8%
インドネシア:5.2%
カナダ:5.3%
韓国:5.1%
ドイツ:4.3%
マレーシア:2.7%
フィリピン:2.4%
フランス:2.3%
パキスタン:2.2%
英国:2.1%
イタリア:1.8%
ニュージーランド:1.5%
タイ:1.4%
台湾:1.1%
バングラデシュ:1%
オランダ:1%
その他:10.7%

※ADBの報告書から数値を引用(2013年末時点)

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