上川陽子法務大臣は、記者からの、在留資格に関係なく外国籍住民への公的な支援対策が必要との質問に対して、現状は関係省庁タスクフォースのもとで早期帰国実現の支援や生活困窮者に対する支援などを柱とする緊急対応方針が取りまとめとめられていることを明らかにした。
2月2日に実施された法務大臣閣議後記者会見の際に、記者から「先週の記者会見で『関係閣僚会議の下、外国人との共生社会の実現のための有識者会議を開催する』という発言がありました。去強制手続中で、帰国できない諸々の事情があって、非正規滞在の状態でいる仮放免中の外国人とその家族が、地域社会の中で数多く生活していらっしゃいます。そういう人たちは今、生活困窮の問題とか医療問題で一番苦労されていると思うのですが、民間団体の支援も限界で、地方自治体や医療機関も非常に対応に苦慮している状況です。感染症の問題ということで、在留資格に関係なく、やはり外国籍住民への公的な支援対策が必要だと思うのですが、関係閣僚会議で、非正規滞在の特に仮放免中の外国籍住民の緊急支援が必要だということを問題提起するようなお考えがあるのでしょうか」との旨の質問が行われた。
この質問に対して、上川陽子法務大臣は「法務省としましては、コロナ禍により生じた外国人の方々の困難な状況も踏まえまして、外国人が我が国社会と関係を構築するために必要な日本語習得などの問題だけではなく、生活困窮や医療的配慮を含む生活の中で生じる様々な問題への対応につきまして、積極的に御議論いただくということを予定しているところであります。また、困窮する外国人については、「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」の下に設置された関係省庁タスクフォースにおきまして、早期帰国実現の支援、また生活困窮者に対する支援などを柱とする緊急対応方針を取りまとめ、先月29日に、同関係閣僚会議において、報告されたところでございます」との旨の見解を示した。
その後に上川陽子法務大臣は、「退去強制処分を受け仮放免中の外国人の方々に対しましては、帰国を促進するために、やはり処分に従って早期に帰国していただくということが何より重要であるという認識の下で、航空便がなかなか手配できないとか、そのゆえに帰国ができないというような状況に置かれている方々も多いということも踏まえて、例えば、関係省庁と連携しながら、関係国と調整した上で、国費による送還を積極的に実施するなど、こうした外国人の方々の速やかな帰国のために力を尽くしてまいりました」との旨の今までの対応も説明した。