厚生労働省の田村大臣は、五輪開催を念頭に国費を投入した外国人観光客向けの発熱センターの設置が検討されているという報道が行われたことに関しては、現時点では確定していることはなく、今後議論を進めて国民に安心感を持ってもらえるようにしていく方針であることを明らかにした。
10月6日に実施された大臣会見の際に、記者から「来年に控えているオリンピック、パラリンピックの関係ですが、一部報道では五輪に併せて外国人観光客向けの発熱センターの設置や、アプリの活用などの方針について出ていますが事実関係や検討状況がありましたらお願いします」との旨の質問が行われた。
この質問に対して大臣からは「9月から調整会議ということで、各省庁の皆さんと会議の中でいろいろな議論を始めているというところです。観客の方々に関して、まだ議論を始めているわけではありませんが、順次これは議論していくものと考えています。今お話のありましたのは、健康管理用のアプリのようなものを入れていただいて、日本に入ってこられた後でそれで健康管理いただくという趣旨だと思います。それも含めてまだ議論をしているわけではありませんので、これからいかなる方法で感染を防いでいくのかということも含めて議論をしていくということです。具体的に、観客に関してはこれから議論に入っていくというものです」との旨の見解を示した。
その後にも同様の質問が行われ、大臣は「観客の場合は2週間どこかにいていただくということが物理的に難しいということもあるのだろうと思いますから、そのような中において、どのような感染対策ができるのかということも含めて議論になるのだと思います。いずれにいたしましても、東京オリンピックに向かって、一定の議論をしないことには国民の皆さんに安心感を持っていただけないというところもございます。しっかりとした議論をしていただきたいと思っています」との旨の見解を示した。
一部の報道によると、日本政府はこの議論を進め、2021年1月までには基本方針を定め、4月からは試行的に外国人観光客の受け入れを再開させる方針となっている。この再開をもとに、五輪による外国人観光客の受け入れを行い、その後も同様の枠組みを維持する方針となっている。入国した外国人観光客の健康管理は、国が多額の国費を投入して管理するサポート室が新たに設立され、この室が管理・対応する案が挙げられている。