河野外務大臣は、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)の交渉に関しては、年内に妥結に持ち込むという方針である事をあらためて述べた。
河野外務大臣は初めてのインド訪問を実施しており、1月7日に在インド日本国大使公邸で臨時会見が実施された。この会見の際に、記者から「インド側からRCEPについて明確に何かこうこれからの参加に向けて前向きに検討していきたいという話はでているんでしょうか。」という旨の質問が行われた。
この質問にたいして河野外相は、「RCEPについても議論しました。今年2019年の終わりまでにRCEPの交渉をしっかり妥結していきたいというふうに思っています。そのことに関しては私から先方に申し上げ、インド側もこのRCEPに関する対応について説明がありました。16か国しっかりまとまったRCEPというものの妥結を年内目指していきたいという方針に変わりはありません。」との旨の見解を述べた。
その後に記者から「インド側も年内には妥結を、、、」という旨の質問が行われ、河野外相は「インド側もこのRCEPが重要だということを認識しており、前半はこのRCEP加盟国の中で国政選挙を抱えている国もずいぶんあり、なかなか前半に大きく動かすのは難しいかもしれませんが、日本としては年内にしっかり妥結に持ち込みたいというふうに思っております。」との旨の見解を示した。
日本政府では、TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)に参加しており、この協定は2018年12月30日に発効している。RCEPはASEAN10か国にオーストラリア・ニュージーランド・インド・日本・中国・韓国の6か国が加わり合計16か国が参加するものであり、TPP11はシンガポール・ペルー・ニュージーランド・メキシコ・マレーシア・チリ・カナダ・ブルネイ・オーストラリア・ベトナム・日本の11か国が参加するものである。
一部の専門家からは、RCEPとTPP11を比較した場合には、TPP11の方が自由で開かれた国が参加しており、日本政府が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」の推進を行ううえでもTPP11の方に注力すべきであり、国防の面からも日本にとってはTPP11のメリットがあるとの声が挙がっている。そのため、TPP11を確実かつ盤石に運営して参加国を増やしていくためにはRCEPは成立しない方が良いとの見方もあり、意図的にRCEPの成立を遅らせさせていき、その間に積極的にTPP11を推進させていく方策がとられる可能性も出てきている。