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アジアの不動産市場は景気低迷感の中で希望を抱き始めたとULIとPwCの「不動産新動向」報告書が指摘
香港 & シンガポール--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- アーバンランド・インスティテュート(ULI)とPwCが共同で発行している地域不動産予測「 Emerging Trends in Real Estate® アジア太平洋版」報告書第17版は、負債コストの上昇、インフレ率の上昇、迫り来る世界不況の懸念から、投資家心理が低下していることを強調しています。本報告書は、233人の不動産専門家を対象とする調査と、投資家、開発会社、不動産会社の担当者、レンダー、ブローカーに対する101件の聞き取り調査に基づいています。
世界的なインフレ傾向の持続、景気後退、世界的な指標の悪化により、投資家は世界同時利上げの影響がより明確になるまで買い控えを選択しました。この地域での取引件数の落ち込みは明らかであり、アジア太平洋地域の第3四半期の取引件数は前年同期比38%減の326億米ドルとなり、この地域では過去10年間で第3四半期として最低の取引件数を記録しています。中国本土は前年同期比23%減と最大の落ち込みを記録しました。
ULIアジア太平洋プレジデントのデビッド・フォークナーは、次のように述べています。「金利上昇と世界経済の減速は、地域の資産評価に影響を与え始め、投資家が潜在的な取引を評価する方法を変化させています。長期的なインフレヘッジとして、不動産は引き続き資金を引き寄せますが、経済環境の進化や人々の建築環境の利用方法の変化により、業界が今後数年間にわたり大きな変化を経験する可能性もあります。」
この地域の投資見通しの上位市場は、深みと流動性のある市場と安全への逃避的なアプローチによって特徴付けられています。シンガポール、東京、シドニーが引き続き上位3市場にランクしています。中国本土の不動産分野の流動性危機が続き、パンデミック規制が続く中、シンガポールは、中国本土や香港特別行政区の資産に投入されていたかもしれない資金の方向転換の恩恵を受けています。東京は、ほぼゼロ金利の環境が続いており、借入コストの低下と負債コストに対するスプレッド拡大が確保されています。香港特別行政区はCOVID規制が緩和されたものの、アジア太平洋で最も高価な商業・住宅市場という立場により、現在の高インフレ不況の環境下で脆弱な存在となっています。
PwC税理士法人 アジア太平洋不動産税務リーダーのスチュアート・ポーターは、次のように述べています。「断片化した市場環境が続いているため、シンガポールと東京は、それぞれの都市の強みを増す要因は著しく異なるものの、最も有望な投資先としてトップの座を維持しています。この地域で投資機会を探る場合、投資家は一部のアジア市場での新規資産購入にはより慎重な手法を取り、従来の資産クラスから明るい見通しを提供するさまざまなニッチ分野へと重点を移す必要があります。これにはディフェンシブな避難先や新経済といったテーマが含まれ、従来から人気の高いオフィスや小売りの分野などの主流資産とは別のところに目を向けることになりそうです。」
投資家は、異常な経済的圧力に対してより強いディフェンシブな不動産や、賃料スライド、短いリース期間、確実な経常収入などの特徴を提供できる資産に向けて戦略を再調整し始めました。集合住宅、ホテル、高齢者向け住宅、物流の分野は、ディフェンシブな避難先と見なされています。データセンター、冷温保管インフラストラクチャー、ライフサイエンス施設、セルフ・ストレージ・スペースなどの新しい経済サブセクターは、5Gの普及、需要に対する構造的な供給不足、より高度なサプライチェーンの進化などの要因が重なり、不況に強い投資手段としての注目を増しています。アジア太平洋では、これらのサブセクターのオポチュニスティック戦略向けに160億米ドルの新規資金が調達されており、これは2021年の調達総額の3倍以上であることから、2023年に向けても物流は投資家にとって引き続き安定した人気になると思われます。
インフレ圧力と金利が開発リスクを高める中、長期の開発プロジェクトは保留されつつあります。投資家はまた、エグジット・キャップレートの上昇に備えた準備、負債利用の抑制、資材の事前購入、設計概要パラメーターを厳密に分析して経済性を追求する「価値工学」アプローチの採用により、各自のアンダーライティングを適応させています。
オフィス分野は、依然としてこの地域で最大の資産クラスです。ビジネス街やビジネス地区の優良資産は常に供給不足で、地域のコアファンドが常に競って資金を投入する対象になっています。同時に、買い手と売り手の間に大きな価格ギャップがありますが、この状況はしばらく続くと予想されます。
報告書全文はこちらでご覧いただけます。
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