武田薬品工業:2022年度上期は力強い業績を達成、通期予想を上方修正

スポンサーリンク



  • 上期のCore売上収益は恒常為替レート(CER)ベースで対前年同期+5.5%成長(財務ベース売上収益は対前年同期+10.1%成長)、年度末に向けて力強いスタートを切る
  • Core営業利益はCERベースで+14.5%の成長、Core営業利益率は31.7%
  • 財務ベースの営業利益の増減は、2021年度第1四半期に計上した日本の糖尿病治療剤ポートフォリオ売却による一過性の収益と為替の影響を受ける
  • ENTYVIO®(国内製品名:「エンタイビオ」)のピーク時売上収益想定を75-90億米ドル1に上方修正
  • 純有利子負債/調整後EBITDA倍率は2.6倍に改善し、負債残高に占める固定金利負債の割合は約98%であり、平均金利は約2%、バランスの取れた満期償還プロファイル
  • 通期の財務ベースおよびCoreベースの通期予想、フリー・キャッシュ・フローを上方修正し、通期マネジメントガイダンスを維持

大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TOKYO:4502/NYSE:TAK)は、本日、2022年度上期の業績を公表しましたのでお知らせします。当社は財務ベースおよびCoreベースの通期予想、フリー・キャッシュ・フローを上方修正し、Core財務指標のCERベース での通期マネジメントガイダンスを維持します。


当社代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバー(Christophe Weber)は次のように述べています。

「当上期には、デング熱ワクチンQDENGA®がインドネシアで初めて承認され、さらに最近、欧州およびデング熱流行国に対する欧州医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解を受領するなど、いくつかの大きな事業目標に向けた節目を達成することができました。この成果と私たちの業績は、当社の強固なパイプラインを前進させ、世界中の人々と患者さんに新たなソリューションを提供する能力を引き続き証明するものです。」

当社チーフ フィナンシャル オフィサーのコスタ・サルウコス(Costa Saroukos)は次のように述べています。

「上期の業績は、CERベースで19%成長となった当社の成長製品・新製品の力強い勢いに牽引され、上市を含む営業活動の継続的な成功が、Coreベースの利益成長に貢献しました。また、CERベースでは、Core売上収益は 5.5%、Core営業利益は 14.5%の成長となり、2022 年度のマネジメントガイダンスを維持することを再確認しました。

世界的にインフレが進行する中、入念かつ長期的な計画と強力な実行の結果、当社は強靭性を維持しています。また、当社は引き続きレバレッジを速やかに低下させることに取り組んでおり、上期末時点の純有利子負債/調整後EBITDA倍率は2.6倍となりました。また、負債残高に占める固定金利負債の割合は約98%、加重平均金利は約2%となっています。

最大の販売製品である ENTYVIOについては、生物学的製剤市場の拡大継続とシェア成長の可能性およびバイオシミラー参入時期に関して更新した想定に基づき、ピーク時の売上収益想定を引き上げています。また、為替のプラス影響を主な要因として、財務ベースおよびCoreベースの通期予想、フリー・キャッシュ・フローを上方修正しました。

私たちはこの勢いを2022年度中にさらに強めていきたいと考えています。」

財務ハイライト

2022年度上期連結業績

(億円、EPSを除く)

財務ベース

Coreベース(c)
(IFRSに非準拠)(a)

2022年度上期

対前年同期
(実勢レートベース増減率)

2022年度上期

対前年同期
(実勢レートベース
増減率)

対前年同期
(CERベース(d)
増減率)

売上収益

19,748

+10.1%

19,748

+18.9%

+5.5%

営業利益

2,550

△26.3%

6,252

+28.7%

+14.5%

営業利益率

12.9

6.4pp

31.7

+2.4pp

+2.5pp

当期利益

1,668

△9.2%

4,467

+33.0%

+14.4%

EPS(円)

108

△8.1%

288

+34.6%

+15.8%

営業活動による
キャッシュ・フ
ロー

3,052

△23.7%

 

 

フリー・キャッ
シュ・フロー
(IFRSに非準
拠)(a)(b)

2,969

△5.9%

 

 

(a)当社のIFRSに準拠しない財務指標のさらなる詳細については当社のホームページをご参照下さい。https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/
(b)当社のフリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから、有形固定資産の取得、無形資産の取得、投資の取得及び即時的または一般的な業務用に使用できないいかなるその他の現金を控除し、有形固定資産の売却による収入、投資や事業の売却による収入、売却による現金及び現金同等物の純額を加算し、調整しています。
(c)Coreベースの業績は、IFRSに準拠して算出される財務ベースの業績から、無形資産償却費および減損損失、その他の営業収益および営業費用、特定のジョイントベンチャー関連の会計処理の影響、非定常的な事象に基づく影響、企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(非中核)事象による影響を、各勘定科目に該当する範囲で調整して算出されます。
(d)CER (Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減は、当期の財務ベースの業績もしくはCore業績について、前年同期に適用した為替レートを用いて換算することにより、前年同期との比較において為替影響を控除するものです。

主要な5つのビジネス領域に関する業績アップデート

2022年度上期の主要なビジネス領域の成長は、売上収益が7,598億円となり、CERベースで19%の成長となった成長製品・新製品1に牽引されました。

  • 消化器系疾患領域の財務ベース売上収益は5,464億円(CERベース増減率:+12%)となりました。これは、ENTYVIOの上期のグローバルでの売上がCERベースで17%成長したことによるものです。この力強い業績とその他の要因により、ENTYVIOのピーク時売上収益想定を以前の5565億米ドルから7590億米ドルに上方修正しました。
  • 希少疾患領域の財務ベース売上収益は3,622億円(CERベース増減率:+8%)となりました。遺伝性血管性浮腫治療剤であるタクザイロ®の力強い売上が牽引しました。タクザイロの売上は予防薬市場の拡大、販売エリアの拡大、および投与患者数の増加が継続したことにより、CERベースで対前年同期31%の成長となりました。2021年12月に米国で上市したLIVTENCITY™は、全米の移植センターの75%が少なくとも1人の患者さんに投与を開始しており、引き続き高い関心が寄せられ、投与患者数も増加しています。
  • 血漿分画製剤(免疫疾患)領域の財務ベース売上収益は3,140億円(CERベース増減率:+14%)となりました。免疫グロブリン製剤は、特に米国において供給量が増加している中で需要が増加し、CERベースで17%の成長となり、アルブミン製剤は中国におけるロックダウンによる逆風があったもののCERベースで8%の成長となりました。血漿分画製剤事業は生命を脅かす疾患を有する患者さんに引き続き革新的な製品を創出し、お届けしています。
  • オンコロジー(がん)領域の財務ベース売上収益は2,253億円となりました。2022年5月から米国で複数のベルケイド®後発品が参入し始めてきたことから、CERベースで12%減少しました。ベルケイドを除いた売上収益は2,045億円(CERベース増減率:+6%)となりました。日本、欧州および成長新興国市場におけるアルンブリグ®や、患者さんアクセスおよびフロントライン適応での使用拡大により引き続き増加しているアドセトリス®、そして米国におけるアイクルシグ®に対する需要が増加しました。
  • ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域の財務ベース売上収益は3,023億円(CERベース増減率:+11%)となりました。VYVANSE®/ELVANSE(国内製品名:「ビバンセ」)は、米国における成人ADHD市場の拡大が牽引しました。トリンテリックスの売上収益は、米国における大うつ病(MDD)市場の回復が継続していることに加え、日本における力強い市場シェアの獲得により、498億円(CERベース増減率:+5%)となりました。

パイプラインに関するアップデート

革新的なパイプラインの勢いを生かし、患者さんに新たな治療をお届けする力を引き続き発揮することができました。2022年度第1四半期業績発表以降から現在までのアップデートは、以下の通りです。

  • デング熱ワクチン候補であるTAK-003は、欧州およびデング熱流行国における4歳以上を接種対象として欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)による承認推奨を受けました。これは、欧州およびEU-M4all制度に参加している欧州域外のデング熱流行国における医薬品使用に対するCHMP初の並行審査でした。欧州における製造販売承認は今後数カ月以内となることが見込まれており、デング熱流行国であるラテンアメリカやアジア地域における規制当局による審査も進行中です。詳細はこちらをご覧ください。
  • インドネシア国家医薬品食品管理庁は、デングウイルス感染歴を問わず6歳から45歳を接種対象としてQDENGAを承認しました。この承認は当社のデング熱ワクチン候補にとって初であり、当社が日本国外で初めて販売するワクチンです。本承認は、アジアおよび中南米のデング熱流行地域に住む小児および若年層被験者20,000人以上を対象に進行中のグローバル臨床第3相試験であるTIDES試験の結果に基づくものです。詳細はこちらをご覧ください。
  • ファースト・イン・クラスの可能性があるセリアック病治療薬の開発について、提携・ライセンス契約を締結しました。TAK-227は、重篤な自己免疫疾患であるセリアック病患者さんのグルテンに対する免疫反応を予防するよう開発されています。現在、セリアック病を適応症として承認された治療薬はなく、セリアック病に関して3つの臨床第2相試験が進行中です。詳細はこちらをご覧ください。
  • 米国食品医薬品局(FDA)は、2歳以上12歳未満の小児患者さんを対象とした遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作抑制に関するタクザイロの生物製剤承認一部変更申請を受理しました。承認された場合、これは6歳未満のHAE患者さんを対象とした初めてかつ唯一の予防薬になる可能性があります。詳細はこちら(英語のみ)をご覧ください。
  • EMAのCHMPは、移植後の、既存療法に抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の成人患者さんを対象とした治療薬として、maribavirの承認を推奨しました。承認された場合、maribavirは欧州連合における初めてかつ唯一のCMV特異的UL97プロテインキナーゼ阻害薬になる可能性があります。詳細はこちらをご覧ください。
  • 10月に20%皮下注用人免疫グロブリン製剤について、無又は低ガンマグロブリン血症を予定する効能効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行いました。原発性免疫不全症候群(PID)や続発性免疫不全症候群(SID)と診断された成人及び小児患者における感染予防を目的として、30カ国以上で承認され、CUVITRU®の商標で使用されています。詳細はこちらをご覧ください。

2022年度予想

2022年度の通期の財務ベースおよびCoreベースの通期予想、フリー・キャッシュ・フローを上方修正し、マネジメントガイダンスを維持

2022年度上期の業績を踏まえた上、下期の前提為替レートの見直しによるプラス影響を主に反映し、2022年度通期の財務ベースおよびCoreベースの業績予想、ならびにフリー・キャッシュ・フローの見通しを当初の予想から修正しました。

(億円)

当初公表予想
(2022年5月)

 

今回公表予想
(2022年10月)

 

2022年度
マネジメントガイダンス
Core成長率(CERベース)
(IFRS非準拠)

(2022年5月から
修正なし)

売上収益

36,900

39,300

 

Core売上収益

36,900

39,300

一桁台前半

営業利益

5,200

5,300

 

Core営業利益

11,000

11,800

一桁台後半

当期利益

2,920

3,070

  このリリースはビジネスワイヤからの提供を受けて掲載しています。
リリース内容については、それぞれの発表元企業にお問い合わせください。

スポンサーリンク