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日本政府は、南シナ海問題で中国政府と争っているフィリピン政府を支援するために巡視船の供与や鉄道建設などの支援を実施していたが、ドゥテルテ大統領の中国訪問の結果によっては、これらの支援が見直される可能性が出てきた。日本の岸田文雄外務大臣が18日に実施した会見の際に述べた。
日本政府では前フィリピン大統領であったベニグノ・アキノ前大統領との間で、対中を意識した強い軍事連携を実施する事を決定していた。この連携の一環として、10隻の巡視船を供与する事も決定していた。また、アキノ前大統領からの強い要望を受けて日本の天皇陛下がフィリピンへ訪問しており、両国の関係は深化しつつあった。
岸田外相はロドリゴ・ドゥテルテ大統領と8月11日の時点で表敬訪問を実施し、その際には、ドゥテルテ大統領は中国の主権を否定したハーグ仲裁裁判所の判決を強く尊重し法の支配の元で解決する事を約束していた。しかしながら、ドゥテルテ大統領が日本よりも先に中国への訪問を実施し、南シナ海問題に関しては二国間協議により解決する可能性が出てきている。
18日に実施された会見の際に岸田外相は「南シナ海問題は国際社会全体の問題であると考えており、開かれた自由で平和な海を実現するためには努力をしていく必要があると考えています。そのため日本政府はフィリピンや国際社会と連携をしていく必要があります。」と前置きをしたうえで「ドゥテルテ大統領の訪中をしっかりと注視していきます。その上で日本政府として、南シナ海を自由かつ平和で開かれた海にするためにどの様な対応が必要かを考えていきます。」と述べた。
ドゥテルテ大統領と中国政府の協議の結果によっては、日本政府が実施してきた巡視船供与や鉄道建設などの支援の見直しを行う可能性が出てきている。