フィリピンは環境保護を優先し鉱業採掘産業を廃止へ

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画像提供:フィリピン政府
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フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、国内の環境保護を最優先するために鉱業採掘産業への規制を厳格化し、将来的には鉱業採掘産業が無くなっても国の成長が維持出来るような成長モデルを検討している事を発表した。

フィリピン政府は鉱業採掘会社へ鉱業を採掘する許可を与え、その結果として毎年400億ペソ(約8.52億ドル)となる多額の収入を得ていた。鉱業の採掘には高度な採掘ノウハウが必要となる関係で、フィリピン国内の鉱山では欧米系の資源メジャー企業が主導権を握り実施していた。そのため一部の有識者達からは、長期的にみた場合には鉱業採掘産業に頼る事は国内産業の育成に繋がりにくくなるとの指摘がされていた。また、鉱業採掘を行う事で大規模な環境破壊が発生し周辺住民の生活にも多大な影響を与えていた事も無視できない状況であった。そのためロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、環境保護を優先し将来的には鉱業採掘産業を廃止する事も視野にいれた成長モデルの策定を進める事となった。

フィリピンの環境天然資源省は、環境と福利基準を満たしていないとして7月15日付けでベロン・ニッケル鉱山の操業停止命令を出している。このニッケル鉱山停止命令がだされたことにより、ロンドン金属取引所のニッケル相場が急上昇するなど、世界的に影響を与えた。フィリピン国内の鉱業事業者に対する操業停止命令は、ドゥテルテ大統領の就任後だけで合計で7鉱山にだされている。ドゥテルテ大統領は鉱業採掘企業に厳格な規則に従うように警告し、今後もこの方針を推し進める事を8月1日に発表した。

ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、国民からの圧倒的な支持率を元として、トップダウンによる改革を推し進めている。麻薬撲滅を訴えて警察と自警団が麻薬密売人や麻薬常習者を射殺する事を容認する施策も実施しているが、国民からの支持は衰えていない状況である。

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