フィリピンのアキノ大統領は、新年を迎えるにあたって2014年を振り返り、幸運にも恵まれ驚異的な経済成長した年であったとのメッセージを発表した。この発表によると、2014年のフィリピン政府は経済成長したことに伴い新規雇用が生まれ、観光客の増加にも成功しており様々な分野で成功した一年であった。また、児童への福祉も手厚くし、奨学金プログラムにより教育の機会を広げることに成功した年でもあった。
この大統領の2014年の振り返りメッセージに伴い、フィリピン政府は2014年に発生した重要な事項として以下を挙げている。
【フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との最終的な和平合意】
フィリピン政府とMILFの間では、数十年にわたるとの武力闘争が行われていたが、2014年3月27日に「最終和平合意」が調印された。
【腐敗との闘い】
フィリピン政府では、ここ数十年の間に汚職が悪化していた。国家予算を使用する公共工事などの発注を、自分が所有・関連している企業・NGO団体へ予算を振り分けたうえに、当初予定していた事業を行わず、その利益を自分の懐にいれるポークバレル詐欺(the pork barrel scam)など横行していた。しかしながら2014年は、このポークバレル詐欺を実施していたボン・レビリア議員などの逮捕を実施しており、汚職への対策は少しずつであるが確実に進んでいる。
非営利組織のトランスペアレンシー・インターナショナルが発表した「腐敗認識指数」では、フィリピンは前年の105位から85位に改善されている。(日本は15位)
【災害への準備】
大型台風22号(フィリピン名称:Ruby、国際名称:Hagupit)が12月初旬にフィリピンを直撃したが、政府機関および関連団体は今までの経験(平成25年台風第30号:ヨランダ)を元に事前に入念な対策を実施していたため、この台風による被害を最小限に抑えることが出来た。
【将来を考慮した成長計画】
フィリピンが先進国になるためには、貧困で苦しむ人がいてはならない。そのため、政府は以前から児童の健康と教育をサポートするための条件付現金給付プログラムを実施していたが、今年から高校を卒業するまでこのサポートを受けれるように対象年齢を拡大した。また、高齢者への医療・福祉も充実させている。
【驚異的な経済成長】
2014年のフィリピン経済は急成長したために、海外の投資家からの投資が急増し、最初の9ヶ月の間に対外純投資は61.3%増加した。
この成長により、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスはフィリピンの国債格付けを12月にBaa3からBaa2に格上げした(日本は12月にA1に格下げされた)。この格上げによりフィリピン経済の信用度が強化されため、外国企業からの更なる投資が見込まれており、2015年もフィリピン経済は更なる成長をとげる見込みである。