日本の総合商社である住友商事株式会社は、自社グループの事業会社であるタイのアルパインテクノマニュファクチャリング(Alpine Technology Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd.)とスミトロニクス・タイ(Sumitronics (Thailand) Co.,Ltd.)を通じて、電子機器の製造受託サービス事業(EMS事業)を目的として、カンボジアに電子機器の製造受託サービス事業拠点を設立したことを発表した。
ASEAN地域を含む東南アジアでは、2015年末にAEC(ASEAN経済共同体)が発足し、2025年までに自由化分野を含むさらなる経済統合が計画されていることもあり、今後も堅実に経済成長が続くと見られている。ベトナム、タイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスと中国にまたがるメコン川流域の大メコン経済圏においても、タイの製造業を中心とした経済発展の波及効果が見込まれている。この大メコン経済圏に含まれるカンボジアでは、地理的優位性、物流インフラ、廉価で豊富な若年層労働力を有していることもあり、すでに多くの外資企業が進出しており、今後もカンボジアの経済成長が続くと見られているために、今回の拠点設立が実施されることとなった。
設立される製造受託サービス事業拠点は、カンボジアのバンテイメンチェイ州ポイペト市に「Sumitronics Manufacturing (Cambodia) Co.,Ltd」(SMC)として、約120百万円の資本金、約50人の従業員にて設立する。この会社登記を今年の4月までに完了し、10月から操業を開始する予定。このSMCでは、タイで製造を手掛ける日系車載・家電メーカー向けに低コストかつ安定したEMS事業を提供する。総事業費は20億円、5年後には売上高40億円を目指している。