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中国外務省は、中国政府が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)にカナダ政府も参加する事が決定した事を発表した。カナダ政府の参加により、G7メンバー(アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、カナダ)でAIIBに参加していないのは日本とアメリカのみとなり、中国政府のG7分断工作が成功する形となった。
カナダのジャスティン・トルドー首相は中国の習近平主席と8月31日に会談を実施した。トルドー首相は、カナダ政府と中国政府は今後も関係を強化していき、AIIBにカナダも参加する事を表明した。両者は資源・金融サービス・科学技術・近代農業・環境保護・省エネなどの分野における協力を今後も進めていく事に合意した。また、両国の国民の相互理解を深めるために文化・教育・スポーツなどの面においても協力を深めていく事にも合意した。
以前のニュース(中国はカナダにAIIB参加を呼びかけ、まだ間に合う)でも報じていたが、中国政府は以前からカナダ政府にAIIB参加を呼び掛けていた。カナダ政府は同盟国でもあるアメリカ政府からの要望を受けていたこともあり、AIIBには参加しない事を明言していた。しかしながら、昨年に実施された総選挙によりジャスティン・トルドー首相が率いる新政権が誕生した事により、方針を大きく変更しAIIBに参加する事となった。
日本政府とアメリカ政府は9月4日に開催されるG20首脳会議において、中国政府が違法に開発を進める南シナ海問題と東シナ海問題を議題に挙げる予定であった。しかしながら親米であるカナダ政府が中国政府に取り込まれたために、G20首脳会議においてこれらの議題を取り上げる事が難しい情勢となった。